エイリアン VS.プレデター ALIEN VS. PREDATOR
ポイント ★★
DATE 04/12/18
THEATER ワーナーマイカルつきみ野
監督 ポール・w・s・アンダーソン
ナンバー 149
出演 サナ・レイサン/ラウル・ボーヴァ/ランス・ヘンリクセン/ユエン・ブレンナー
批評 ネタばれ注意! 結末に触れています
見る前から勝負の結果はわかっている。人間のうち誰が生き残るかも、「エイリアン」「プレデター」両シリーズを見ていればおのずと予想できた。厳しい権利関係をクリアしながらふたつの怪物を共演させた苦労、双方ともに見せ場を作りつつストーリーに整合性を持たせようとする苦心も理解できる。それでも「フレディVSジェイソン」のように楽しめなかったのは、怪物たちに思考や心理がないからだ。結局、脇役のはずの人間がでしゃばりすぎて「どちらが強いか」という興味に水を差している。
南極付近に未知のピラミッドが発見され調査部隊が派遣される。隊員たちはピラミッドの中に閉じ込められ、そこに住むエイリアンに寄生される。一方で、その様子を窺っていたプレデターはエイリアンを狩るためにピラミッドにやってくる。古来よりプレデターたちはハンターの通過儀礼としてエイリアン狩りを義務付けられていた。そしてプレデターのエイリアン狩りが始まる。
やはりキャラクターの気持ちがわからないと作品にのめりこめない。エイリアンのエサにされる人間ではなく、怪物たちのことだが。たとえば、初めての狩に赴く新人プレデターの緊張した面持ちとそれを和らげようとする先輩プレデターとか、鎖につながれ自由を奪われたクイーンエイリアンが悲しみと憎しみのこもった咆哮をあげるとか。「エイリアン4」ではある程度知性を持った生物として登場していたわけだから矛盾はしない。怪物としてしか描かれない彼らにも、何らかの心の動きがあることがわかれば、直接対決のシーンにもぐっと感情移入できたはずだ。
プレデターは優れた判断力と行動力を持った人間には好意を示すというのは「プレデター2」を踏まえてのことだろう。新人プレデターが女性隊員に友情を示すシーンやプレデターのリーダーが彼女に褒美の剣を授けたりするが、かなりの仲間を殺されたのになぜ彼女はプレデターに尻尾を振っているのか。エイリアンを退治したあとプレデターにも一矢報いないと人間が登場した意味がないではないか。くだらんオチを考えるくらいならもう少し人間の扱いを考えてほしかった。