こんな映画は見ちゃいけない!

映画ライター・福本ジローによる、ハリウッドの大作から日本映画の小品までスポットを当てる新作映画専門批評サイト。

プリティ・プリンセス2

otello2005-03-02

プリティ・プリンセス2 THE PRINCESS DIARIES 2:ROYAL ENGAGEMENT

ポイント ★★*
DATE 04/10/21
THEATER ブエナビスタ
監督 ゲーリー・マーシャル
ナンバー 125
出演 アン・ハサウェイ/ジュリー・アンドリュース/ヘザー・マタラーゾ/ジョン・リス・デイヴィス/ヘクター・エリゾンド
批評 ネタばれ注意! 結末に触れています


果たしてこの映画に心をときめかせることができるのは何歳ぐらいまでだろう。おそらく中学生くらいまでではないだろうか。小国ながらも女王の座を継ぐプリンセスの日常生活。伝統と格式を重んじる欧州の由緒ある王室に吹き込むアメリカの自由な風。もちろんそこにプリンセス最大の義務である結婚相手探しを加え、物語に波乱を持たせている。しかし、それはあくまで少女マンガレベルの、親が安心して娘に見せられるラブストーリーの域を出ていない。


サンフランシスコの女子高生だったミアがジェノヴィア王国の後継者となってジェノヴィアに来て5年、王位を狙うライバルが出現する。ミアが王位を継ぐには結婚しなければならないというこの国の法に基づき、花婿探しが始まる。やがて見つけた英国の公爵と婚約するが、ミアには気になるもうひとりの男がいる。王位を取るか恋に走るか悩むミアに、クラリス女王は自分の心の声に従えとアドバイスする。


ヒロインが体験する宮殿の中の夢のような生活が再現される。近衛兵、ティアラ、舞踏会、ロイヤルウェディング、そしてボディガードの監視の目をかいくぐっての密会。こういった「プリンセス物語」の要素がすべて盛り込まれたセオリー通りの展開だ。テレビのうるさいレポーターが付きまとい、ミアの恋の行方が世界的な関心事で逐一報道されているという現代風の味付けも怠らない。


そういったエピソードがイマイチ有機的に結合しておらず、軸になるミアの恋物語の肉付けになっていない上に、一国の元首になる運命と自分の恋の間に揺れ動く微妙な女心が描かれておらず物足りない。また、クラリス女王を演じるジュリー・アンドリュースはいつも微笑を湛え、ホンモノの女王の貫禄すら漂うが、あまりにもプリンセスに対して物分りがよすぎる。せめて彼女がもう少し歌を披露してくれれば楽しめたのに。。。


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