こんな映画は見ちゃいけない!

映画ライター・福本ジローによる、ハリウッドの大作から日本映画の小品までスポットを当てる新作映画専門批評サイト。

ウォレスとグルミット 野菜畑で大ピンチ!

otello2006-03-28

ウォレスとグルミット 野菜畑で大ピンチ!
WALLACE AND GROMIT IN THE CURSE OF THE WERE RABBIT


ポイント ★*
DATE 06/3/18
THEATER ワーナーマイカルつきみ野
監督 スティーブ・ボックス/ニック・パーク
ナンバー 41
出演
批評 ネタばれ注意! 結末に触れています


ポケモン」にしろ「ドラえもん」にしろ、劇場版は物語を作りこみキャラクターにも深みを持たせ、映画館まで足を運んだ人間に対して何らかの感動を持ち帰らせようとする。しかし、この作品にはそこまでの作りこみはなく、テレビ版を見ているのと変わらない。これではわざわざ見に行くほどのものではなく、テレビやレンタルでいいやと思わせるレベルだ。


巨大野菜コンテストが迫った街で、住民たちが丹念に育てた野菜をウサギが食い散らすという事件が続発。発明家のウォレスと忠犬のグルミットはウサギ駆除マシーンでウサギを大量に生け捕りにする。その中のいちばんの食いしん坊ウサギ・ハッチを野菜嫌いにするため洗脳マシーンにかけるが失敗、ウォレスとハッチの心が混在し、ウォレスは巨大ウサギになってしまう。


粘土を使ったアニメは手作りの温かい味わいがあり、人形たちの動きもユーモラスでユニーク。それでもこの「劇場版」にしかないようなプラスアルファの要素が希薄。もちろんCGとの合成で表現技術も飛躍的に向上したのだろうが、だからこそCGを一切使わずに粘土だけで作るべきっだたはず。


物語もウォレスが発明した洗脳マシンの不調で怪物ウサギが出現するという陳腐なもの。しかも満月になると人格が入れ替わり変身するなどという、もはや子供だましのレベル。日本のアニメに限らず米国製フルCGアニメでも、物語にはらはらドキドキを盛り込み愛や友情を謳うことで大人が見ても鑑賞に耐えられるのだが、この作品には大人の観客を楽しませる意識は希薄だった。


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