こんな映画は見ちゃいけない!

映画ライター・福本ジローによる、ハリウッドの大作から日本映画の小品までスポットを当てる新作映画専門批評サイト。

エラゴン

otello2006-12-21

エラゴン ERAGON


ポイント ★*
DATE 06/12/17
THEATER 109シネマズ港北
監督 シュテファン・ファンマイアー
ナンバー 220
出演 エド・スペリーアス/ジェレミー・アイアンズ/ロバート・カーライル/シエンナ・ギロリー
批評 ネタばれ注意! 結末に触れています


運命に選ばれし少年が賢者の導きによって目覚め、強大な悪の帝国に立ち向かう。そのまんま「スター・ウォーズ」を神話時代に持ってきたような設定は、最後までオリジナリティを感じさせないまま。まあ、少年の冒険譚に指導役の老人が現れたり、忠誠を誓う従者がついたり、窮地の美女を助けたり、やがて成長した主人公が大活躍して一人前になるという物語は古今東西どこにでも転がっているのだが、それでも個々のキャラクターまで似ているとなると、やはりパクリと思われても仕方ない。そういえば宣伝用のポスターは「ハリー・ポッターと炎のゴブレット」にそっくりだ。


かつてドラゴンライダーたちに守られて平和と繁栄を謳歌したアラゲイシア国は、ガルバトリックスの裏切りによって崩壊、彼が支配する独裁帝国となる。ある日、エラゴンという少年がドラゴンの卵を拾い、孵化したドラゴンを育てる。隠者のブロムと出会ったエラゴンは自分こそが圧政から民衆を救うヒーローであることを自覚し、自由を求める反乱軍に合流する。


エラゴンの味方だけでなく、強大なパワーを持つガルバトリックスの腹心・ダーザも敵に対する冷酷さと部下に対する厳しさはダース・ベイダーみたいだし、エラゴン自身も両親がおらずおじに育てられていたり、呪文を唱えることで物を物理的に動かすというフォースのような力を身につける。クライマックスでドラゴンの背に乗って火を吹きまくり敵を殲滅する姿は、戦闘機に乗ったルークそのものだ。唯一、サフィラだけはドラゴンという猛々しいイメージとは違い、メスらしい優雅さとやさしさと思慮深さを持ち合わせていた。


結局、エラゴンの大活躍で帝国軍の司令官のダーザを倒し、反乱軍は大勝利。それでもまだ物語りは始まったに過ぎない。近いうちに第2部ができるそうだが、ダーザが実はエラゴンのホントの父だったなどというオチだったら大爆笑なのだが。。。


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