こんな映画は見ちゃいけない!

映画ライター・福本ジローによる、ハリウッドの大作から日本映画の小品までスポットを当てる新作映画専門批評サイト。

STOP THE BITCH CAMPAIGN 援助交際撲滅運動

otello2009-02-01

STOP THE BITCH CAMPAIGN 援助交際撲滅運動

ポイント ★★
DATE 09/1/29
THEATER TCC
監督 鈴木浩介
ナンバー 24
出演 Rio/菅野麻由/平井絵美/遠藤憲一
批評 ネタばれ注意! 結末に触れています


売る女子高生が悪いのか、買うオッサンが悪いのか。現行条例では18歳未満の少女は被害者として守られ、オッサンが罰せられる。しかし、はたして一方的に大人だけが犯罪者なのか。自分の体で安易にカネを得ることしか考えない少女の側にも重大な過失があるはずだ。そんな法の矛盾に疑問を持ち、売春をやめない女子高生に天誅を加える謎の男の一人芝居が笑える。映画は彼を追う女性ライターとの駆け引きを通じて援助交際がいかに危険なものかを訴える。


フリーライターのあずさは「メスブタ」の刻印を押されて自殺した妹の身辺を調査するうちに、体を売る女子高生を「援助交際撲滅運動」と称していたぶる「エンボクのクニ」という男の存在を知る。あずさはクニに接近するために妹の友人に助勢を頼む。


放課後の部活を楽しむかのようにネット上で相手を探し料金の交渉をする少女たち。文字だけの情報に男たちは期待とパンツの前を膨らませて待ち合わせ場所にむかう。オッサンと女子高生のカップルが手をつなぎ人気のない場所を目指して歩く姿は日常と化している。やはりどれほど言葉を言い換えても異常な光景、こんなことが平然と行われる日本には「エンボク」は必要なのだ。女高生たちを懲らしめるクニは、いくら精神破綻者とはいえ、ある種のヒーローに見えてくる。


妹の復讐を果たしたいあずさは援交を餌にオヤジ狩りを続け、ついにはクニを拉致しリンチにかける。そのあたり、罪に問われるべきは女子高生なのかオッサンなのかはっきりさせない。その後の、クニはニセの援撲であったり、妹の自殺の真相が意外なことだったりと、とってつけたようなドンデンガエシの連続には少し鼻白む。どうせならもっと援撲の活躍を中心にすえ、タイトルどおり援交女子高生たちを絶滅に追い詰めるくらい活躍してほしかった。



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