こんな映画は見ちゃいけない!

映画ライター・福本ジローによる、ハリウッドの大作から日本映画の小品までスポットを当てる新作映画専門批評サイト。

マーシャル博士の恐竜ランド

otello2009-06-28

マーシャル博士の恐竜ランド Land of the Lost

ポイント ★★
DATE 09/6/26
THEATER THRP
監督 ブラッド・シルバーリング
ナンバー 151
出演 ウィル・フェレル/アンナ・フリエル/ダニー・マクブライド
批評 ネタばれ注意! 結末に触れています


砂に埋まったビルや橋、ジャングルに現れるT-REX、3つの月が浮かぶ空、毛むくじゃらの原始人、そして怪人が潜む古代の神殿。そこは異次元空間というより、チープな想像力が作り上げた文明の終焉といった様相を呈している。映画はそんな世界に紛れ込んだマッドサイエンティストが宇宙を崩壊から救うという使命に目覚め、ハチャメチャな大活躍をする様子を少しズレたタッチで描く。だが、そこで繰り広げられる連続大活劇はアクションとしては物足りず、コメディとしては難解。まるで時空の歪みがユーモアのセンスまで捻じ曲げたのかのよう。なにか元ネタでもあって、それを知っていれば笑えたのだろうか。


タイムワープ装置を発明したマーシャル博士は、助手のホリー、ガイドのウィルとともに洞窟で実験をする。無事異次元にたどり着いた彼らは原始人と出会いともに旅をするが、途中、エニックという爬虫類のような外見の怪人と出会い、彼もまたタイムワープを研究していることを知る。


マーシャルを演じるウィル・フェルレという俳優は、米国では非常にメジャーなモノマネ系のコメディアンなのだが、彼のパフォーマンスを見たことがない者にとってはどこが笑いのツボなのかよくわからないはず。日常風景のデフォルメや超有名人の風刺といった万国共通の認識下にあるものならば理解できるが、この荒唐無稽な場所を舞台とした冒険では、もはや何でもありの設定となってしまい、ギャグのおもしろさの基準をどこに置いてよいのか最後まで定まらなかった。


その後も、マーシャルが巨大蚊に血を吸われたり、恐竜の尿を飲んだり、果てはT-REXの口に飛び込んで消化されずに排せつされたりする。ウィル・フェレルの芸風になじみのある人には受けるのかもしれないが、知らない者にはおかしそうなことが展開しているけれど、まったく共感が得られない映像の羅列。原始人がやたらホリーの胸や太ももに触ろうとするスケベ心だけはわかりやすかったが。。。


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