こんな映画は見ちゃいけない!

映画ライター・福本ジローによる、ハリウッドの大作から日本映画の小品までスポットを当てる新作映画専門批評サイト。

劇場版イナズマイレブン 最強軍団オーガ襲来

otello2011-01-05

劇場版イナズマイレブン 最強軍団オーガ襲来


ポイント ★★*
監督 宮尾佳和
出演
ナンバー 2
批評 ネタばれ注意! 結末に触れています


「サッカーやろうぜ」という“魔法の呪文”で次々と仲間を増やし、強大な敵でさえ終了のホイッスルが鳴ると一緒にボールを蹴っていた友達になっている。主人公の熱き思いは周りの人間のやる気を喚起し、彼のひたむきさはいつしか大きな輪になって実力以上のパワーを発揮する。ゲームのキャラを登場人物にしているだけあって、試合シーンでは選手各人は能力を持ったコマとして扱われ、必殺技をどのタイミングで出すかに勝負がかかっている。そして「少林サッカー」顔負けの超絶大技にはいちいち凝ったネーミングがなされ、その大げさなセンスが楽しませてくれる。


雷門中に入学した守は早速サッカー部を立ち上げる。最強軍団の帝国中との練習試合で部員が欠けるが、伝説のストライカー・豪炎寺が加入、チームはフットボールフロンティア大会を目指す。


GKの守が前線まで出てきてシュートを放ったり、他校選手がいつの間にかレギュラーになっていたり、登録外選手が6人も交代でピッチに入ったりと、サッカーにおけるルールや常識は基本的には無視し、フィールドをバトルの場ととらえる発想がRPGらしい。選手たちは自分の必殺技で相手ゴールを狙い、GKもまた渾身の技でボールを止めようとする。どの技はどの技より強いといった決まりでもあるのだろうか、ゴールネットが揺れる時もあればGKにはじかれる時もある。そんな中でも、5羽のペンギンがボールとともにGKに襲いかかる「皇帝ペンギン2号」というシュートには思わず笑ってしまった。


◆以下 結末に触れています◆


雷門中は決勝戦で未来から派遣された戦闘集団・オーガと対戦、守の危機を知ったカノンという少年の助太刀でチームを立て直す。そこからはもはや超人大戦争の世界。この作品が対象とする小学校低学年の子供たちにとって、わずか5〜6歳しか違わない中学生はかくも万能の力を持つ大人に見えるものなのかと、改めて彼らの想像力の柔軟さに驚かされた。。。