こんな映画は見ちゃいけない!

映画ライター・福本ジローによる、ハリウッドの大作から日本映画の小品までスポットを当てる新作映画専門批評サイト。

ワイルド・スピード MEGA MAX

otello2011-06-24

ワイルド・スピード MEGA MAX FAST FIVE

ポイント ★★★*
監督 ジャスティン・リン
出演 ヴィン・ディーゼル/ポール・ウォーカー/ジョーダナ・ブリュースター/ドウェイン・ジョンソン
ナンバー 146
批評 ネタばれ注意! 結末に触れています


いきなりのバス横転から、高速走行中の貨物列車にバギーを横付けして積荷の高級車を奪う。さらに急な斜面にしがみつくスラム街での高低差を生かした追跡劇。冒頭から繰り広げられるスリルとスピードたっぷりの映像には圧倒される。その後も、“よくこんなアホなアイデアを考えつくな”と思えるような荒唐無稽なシチュエーションを映像化、そこでもディテールを描き込んでリアリティを持たせることに大成功。その上にドウェイン・ジョンソンを新たにキャストに加え、ヴィン・ディーゼルとの“スキンヘッドのマッチョ”というキャラかぶり者同士のパワーあふれる肉弾戦まで見せてくれる。この旺盛なサービス精神に、何度も椅子からずり落ちそうになりながらも完全に時間を忘れ、130分があっという間だった。


ブライアンとミアは囚人護送車からドミニクを脱出させリオに高飛び、高級車窃盗団に加わる。しかし、裏切り者のせいで地元ギャングのボス・レイエスと、指名手配中のドミニクたちを捕まえるために米国からやってきた剛腕捜査官・ホブスに追われる羽目になる。


レイエスの秘密を握ったドミニクは逆に彼の10億ドルを盗む計画を練り、6人の仲間を募る。それぞれがその道のプロ、意表を突く作戦で警察署の地下金庫に運び込まれた現金を強奪する算段を立てる。一方でホブスの追っ手とレイエスの部下が鉢合わせする幸運にも恵まれ、ドミニクたちは不可能を可能にしていく。その過程でも、彼らが目を輝かせせる名車たちがずらりと顔を並べ、素の自分に戻れるストリートレースもきちんとこなすなど、このシリーズの原点は忘れていない。ドミニクの性格がやや明るくなってしまったが。


◆以下 結末に触れています◆


後半も装甲車で一般道をぶっ飛ばしたり、果ては巨大金庫で街中を壊しまくる。もはやここまで来るとやり過ぎの感も否めないが、スクリーンからほとばしる重量感はズシリと腹に響いてくるほどだった。ただ、金庫を開けるのに必要なのはレイエスの右手の掌紋なのに、彼が女の尻を撫でたのは左手だったのが気になったが。。。