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映画ライター・福本ジローによる、ハリウッドの大作から日本映画の小品までスポットを当てる新作映画専門批評サイト。

ハングオーバー!!史上最悪の二日酔い、国境を越える

otello2011-07-05

ハングオーバー!!史上最悪の二日酔い、国境を越える
THE HANGOVER PART II

ポイント ★★*
監督 トッド・フィリップス
出演 ブラッドリー・クーパー/エド・ヘルムズ/ザック・ガリフィナーキス/ケン・チョン/ジェフリー・タンバー/ジャスティン・バーサ/ポール・ジアマッティ
ナンバー 159
批評 ネタばれ注意! 結末に触れています


朝目覚めると、ゆうべの記憶がないばかりかまったく見覚えのない部屋。さらにいなければならない人間が消えていて、代わりに変なおっさんと猿がいる。とってもやばい状況であるのだけは理解できるが、解決方法が見つからない。そんな、前作同様のシチュエーションを、バンコクに舞台を移して繰り返す悪友たち。恐ろしく下品でかなり危険、おまけに相当はた迷惑、しかしそれは退屈でストレスフルな日常を送る彼らにとって必要なガス抜きなのだ。


ステュの結婚式のためにタイやってきたフィル、ダグ、アランは花嫁の弟・テディを加えてパーティに繰り出す。翌朝、二日酔いの頭でフィルが目にしたものはバンコクの場末のホテルで熟睡しているステュとアラン、一方でテディが消えていた。


ポケットに残っていた“証拠品”をもとに昨晩の出来事を思い出そうとする3人。その過程で僧侶を誘拐したり暴動を起こしたりと、街で大暴れしていたことが明らかになる。しかもギャングとのトラブルにまで巻き込まれている。それらの危機をフィルの機転でなんとか切りぬけ真相に近付いて行くが、中でもオカマバーでのハプニングは最大の衝撃。だが禁断の果実はステュに、これから待ち受ける“まっとう”な人生では決して味わえない快感をもたらしたに違いない。


◆以下 結末に触れています◆


引きこもりオタクのアランにとって、フィルとステュは外界の空気に触れさせてくれた恩人であり親友。お堅いステュにとってもアランとフィルは、絶対にしたくない経験をさせてくれる貴重な存在。そしてフィルにとってステュとアランは自分のアホな冒険心に付き合ってくれる仲間。人間関係が希薄になった現代だからこそ、恥ずかしすぎて他人に言えないような体験を共有できる彼らの関係がうらやましくなる作品だった。