こんな映画は見ちゃいけない!

映画ライター・福本ジローによる、ハリウッドの大作から日本映画の小品までスポットを当てる新作映画専門批評サイト。

トロール・ハンター

otello2012-03-27

トロール・ハンター Trolljegeren

ポイント ★★
監督 アンドレ・オヴレダル
出演 オットー・イェスペルセン/グレン・エルランド・トスタード/ヨハンナ・モールク
ナンバー 73
批評 ネタばれ注意! 結末に触れています

大木をなぎ倒し、ヤギを貪り食う。怒りにまかせて暴れる様はまさに野獣と言っても過言ではない。伝説の妖精・トロールは、本当は人里離れた森や山、雪原に住む巨大な怪物だった。映画は、世界で初めて生きたトロールをとらえた衝撃のドキュメンタリーであると繰り返し宣言する。怪しげな男のクルマをを山奥まで追い、暗い森でトロールに追われてもカメラだけはまわし続け、暗視カメラでトロールの姿を垣間見せるシーンはスリルにあふれている。

大学生のトマスたちは、トロールハンターのハンスに密着取材を申し込む。深夜、森の奥深くでトロールを見つけたハンスは、紫外線でトロールを石化した後、爆薬で粉々し、トマスたちは一部始終の撮影に成功する。

トロールの存在をノルウェー政府はひた隠しにし、彼らによる被害をクマのせいにする偽装をし竜巻に仕業と発表する。トマスたちは政府機関から嫌がらせを受けるがそれが逆に彼らのジャーナリスト魂に火をつけ、事の真相に迫ろうとする決意を固めさせる。ハンスもまたトロール殺しに嫌気がさし、事実を公表することに同意する。このあたり、あくまで調査報道の体裁を崩さず、その作りこまれた世界観はトロールが実在するのではと思わせるリアリティだ。

◆以下 結末に触れています◆

だが、いかにもCGで合成したのがミエミエのトロールには少し幻滅、さらにこれがトロールの真実を収めた何ら手を加えていない映像であると何度も強弁するに至っては興ざめした。フェイクドキュメンタリーという手法は低予算で映画を作れるのだろうが、もはや食傷気味。どうせならもう一歩進んで誰もやっていないような工夫を盛り込んでほしかった。もしかして笑い飛ばすのが正解だったのか。。。ちなみに公式サイトのJTSS通信はバカバカしくて面白かったが。

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