こんな映画は見ちゃいけない!

映画ライター・福本ジローによる、ハリウッドの大作から日本映画の小品までスポットを当てる新作映画専門批評サイト。

ミッシング ID

otello2012-05-17

ミッシング ID ABDUCTION

オススメ度 ★★*
監督 ジョン・シングルトン
出演 テイラー・ロートナー/リリー・コリンズ/シガニー・ウィーヴァー
ナンバー 109
批評 ネタばれ注意! 結末に触れています

自分はいったい何者なのか、育ててくれた両親は誰なのか。ネットで偶然目にした幼いころの写真が若者の疑念に火をつける。そして襲い掛かる2組の組織。敵か味方か、進むべき道のヒントだけを与えられた彼は、身に付けたサバイバル能力を頼りにガールフレンドと共に真実を探す旅に出る。そんな、突然奪われたアイデンティティに戸惑いつつも、今までの人生の意味を吟味しながら逃げ続ける主人公の姿がスリリング。007やジェイソン・ボーンと同様、目的のために殺人が許されたスパイを父に持つ彼を、知らない過去と運命がとことん追いつめる。

高校生のネイサンは、幼なじみのカレンとリポートを作成中に失踪児童一覧サイトで自身の画像を見つける。サイト管理者に連絡を取ると、すぐに怪しげな2人組がやってきて両親を殺害した上に家を爆破する。ネイサンとカレンはカウンセラーのベネット医師に逃亡を助けられつつ、衝撃の事実を聞かされる。

ネイサンの身柄を力ずくで抑えようとする組織とCIAを名乗る男の追跡を受けながら、ベネットから聞いたわずかな手掛かりを手繰り寄せよるネイサン。走り、隠れ、考え、格闘し、ひとつの謎を解くとまた別の謎にぶつかる迷路状態の中で、ハイテクと銃器を備えた殺し屋軍団とCIAのプロ相手に一歩も引けを取らない。さらに友人を使って偽装工作をするなど、もはや素人とは思えないほどの冷静さと大胆さに、ネイサンが普通のティーンエージャーだったことを忘れてしまう。

◆ネタばれ注意! 以下 結末に触れています◆

もちろん幼少時より育ての父が厳しいトレーニングを課していて、肉体的にも精神的にも鍛え上げられ、窮地でも頭をフル回転させて生きのびるチャンスを探る訓練を受けている。それでも、体格ではるかに勝る大男を列車から放り出したり暗殺組織のボスを罠に嵌めるのだから、ネイサンの活躍ぶりはやはり高校生としては超人的と言うしかない。不自然に子供のころのTシャツが保管してあったところをみると、もしかしてこれはネイサンが一人前のスパイになるための“卒業試験”だったのだろうか。。。

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