こんな映画は見ちゃいけない!

映画ライター・福本ジローによる、ハリウッドの大作から日本映画の小品までスポットを当てる新作映画専門批評サイト。

モンサントの不自然な食べもの

otello2012-07-19

モンサントの不自然な食べもの LE MONDE SELON MONSANTO

オススメ度 ★★★
監督 マリー=モニク・ロバン
出演 ヴァンダナ・シヴァ
ナンバー 175
批評 ネタばれ注意! 結末に触れています

そもそも交配自体が遺伝子の組み換えに他ならないが、直接人工的に不自然な形で生き物の性質を変えるところに、得体のしれない不気味さを感じているというのが“普通の市民”の感覚だ。それは絶対に安全なのか、大丈夫と言い切るならば作っている会社の経営陣や認可した政治家や官僚に食べさせればいいはずだが、きっと高給を食む彼らはそんなものには見向きもせず、自らはオーガニックのものしか口にしないのだろう。映画はトウモロコシなどの穀物に農薬耐性を持たせるために遺伝子に手を加え、その種子を販売して巨利を得る米国企業のモラルを問うていく。

ジャーナリストのマリーはバイオケミカルの多国籍企業・モンサント社を調べるうちに、ここが遺伝子組み換え(GM)作物で世界の食料市場を支配しようとする黒いうわさを耳にする。モンサント社は過去に、PCBや枯葉剤、牛成長ホルモン、除草剤などで数多くの問題を起こしていた。

膨大なネット上の資料を調べ、世界中を飛び回って取材し、巨悪と位置付けたモンサント社に一人戦いを挑むマリー。だがつかんだ情報は、データに不備があるにもかかわらずモンサントのロビー活動で政治家が骨抜きにされた上、GM作物が米国内では合法化され、規制の甘い発展途上国では野放し状態になっている現実。さらに風媒介で交配してできた種子でも、自社製品の遺伝子が含まれていれば特許侵害で訴えて反対派の農家をつぶそうとするモンサントの強引で悪辣な手法を告発する。

◆ネタばれ注意! 以下 結末に触れています◆

パリに行ってもそれほど太った人に出会わないが (たまにいても米国人観光者だろう) 、NYではクジラのような巨体の人々をあちこちで見かける。おいしいフランス料理を食べているのに健康的なボディのパリジャン・パリジェンヌに対し、ファーストフードを常食にする肥満のニューヨーカー。フランスはGM食品を拒否しているが、米国はあらゆる食品にGM作物が混ざっている。すべてがGM作物のせいではないと思うが、人体に良くないことは確かだ。。。

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