こんな映画は見ちゃいけない!

映画ライター・福本ジローによる、ハリウッドの大作から日本映画の小品までスポットを当てる新作映画専門批評サイト。

ウォリスとエドワード 英国王冠をかけた恋

otello2012-08-24

ウォリスとエドワード 英国王冠をかけた恋 W./E.

オススメ度 ★★*
監督 マドンナ
出演 アビー・コーニッシュ/ジェームズ・ダーシー/アンドレア・ライズブロー/オスカー・アイザック/リチャード・コイル/デビッド・ハーバー
ナンバー 192
批評 ネタばれ注意! 結末に触れています

リッチな夫のもとでセレブ暮らしを満喫しているはずだった。だが、それが望んだものとは違うと気づいた時、彼女は恋のためにすべてをなげうったカップルの物語に魅かれていく。そして彼らが遺した品々に染みついた記憶は鮮やかなビジョンとなって彼女の脳裏に語りかけてくる。あの時の選択は正しかったのか。もっと別の道があったのではないか。失ったものと得たものを天秤にかけても後悔だけはしない。そんな感傷が時を越えて蘇る。映画は「世紀の恋」と呼ばれたロマンスと、前世紀末のヒロインの苦悩と出会いを対比させ、未来は自分の意志で選ぶべきだと訴えかける。

医師の夫との仲がギクシャクしているウォリー。ある日、王位を捨ててまで結ばれた英王エドワードとウォリスの遺品が出品されるオークション会場に足を運ぶ。そこで手にした故人の愛用品の数々に思いをはせるうちに、ウォリスの生涯に興味を持ち始める。

DV、退屈な結婚生活、ウォリーはウォリスの身の上を調べるうちに自らの境遇を重ね合わせ、競売場の警備員・エフゲニに声をかけられると彼の優しさによろめいていく。亡命ロシア人の元ピアニストだったエフゲニの奏でるメロディに傷ついた心を癒していくウォリー。エフゲニはカネはないけれど、寂しい時に寄り添ってくれ、思いやりにあふれている。彼と触れあう過程と、ウォリスとエドワードの関係がシンクロし、ウォリーは新たな価値観に目覚めていく。

◆ネタばれ注意! 以下 結末に触れています◆

やがてウォリーはパリに秘蔵されているウォリスの書簡を目にする機会を得て、エドワードと結ばれたウォリスが必ずしも満たされていたわけではないと知る。それでも、人生は望み通りにならないからこそ懸命に生きる値打ちがあることを手紙から教わるのだ。 蠱惑的な1930年代のファッションと英王室のおおらかなカジュアルさといった時代の空気がスタイリッシュな映像に再現されていて、国王の運命を変えたウォリスの魅力が香り立つようだった。。。

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