こんな映画は見ちゃいけない!

映画ライター・福本ジローによる、ハリウッドの大作から日本映画の小品までスポットを当てる新作映画専門批評サイト。

劇場版 私立バカレア高校

otello2012-10-15

劇場版 私立バカレア高校

監督 窪田崇
出演 森本慎太郎/松村北斗/島崎遥香/大場美奈/小林茉里奈/島田晴香/加藤玲奈
ナンバー 254
批評 ネタばれ注意! 結末に触れています

誰が強いかどちらが勝つか、不良たちはひたすら喧嘩に明け暮れる。上品で穏やかな言葉の陰にトゲを潜ませたお嬢様たちは美しさと知略を競い合う。自分が一番でいたい、少年も少女もその思いを前面に押し出して学園生活を送ろうとする。映画は、水と油のような男子高と女子高が合併し、さらに期限付きで他校に居候する限りなくばかげた設定のなかで、彼らが己の目標やプライドよりも大切なものを見つけていく姿を描く。ジャニーズjr.たちはしなやかな体の使い方で乱闘シーンを派手に演じるのに対し、AKB48の見せ場がコスプレ喫茶のみなのは物足りなかった。彼女たちのパフォーマンスも期待したのだが。

校舎建て替えのため第一カトレア学院に転校したバカレア高校の生徒たち。達也ら男子はスノッブな雰囲気に馴染めず、文恵ら女子は結花を中心とした第一のグループと対立する。やがて学園祭が始まるが、結花に隔離された不良男子が喧嘩を始め騒動になる。

不良男子を、異臭を放つケダモノととらえている結花が思わぬところで彼らの存在価値を知り、女にはない長所を見出す場面がキュートだ。感情を抑えていた彼女が一瞬の恐怖に表情をゆがめるが、達也たちが力を合わせて助けてくれる。普段はバカ丸出しなのにいざという時には頼りになる、そんな男子の魅力に目覚め誤った先入観をあらためていくプロセスは、ミエミエの仕掛けにもかかわらず無償の善意を感じさせた。

◆ネタばれ注意! 以下 結末に触れています◆

男女2大アイドルグループの1軍半クラスをコラボさせる企画は、ジャニーズとAKBの掛け算になってこそその化学反応が楽しめるはず。ところが結局お互いの領分から出ることなく、達也と文恵がハンカチと手紙をやり取りするほかはジャニーズはジャニーズで、AKBはAKBで完結してしまっているのは残念。やはり、最後はミュージカル仕立てにしてジャニーズ対AKBのダンス対決に持っていくくらいのサービス精神は必要だ。両グループのファン以外は最初から客層ではないのだろう、顔と名前が一致したのはぱるるとこじはるだけだった。。。

オススメ度 ★★

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