こんな映画は見ちゃいけない!

映画ライター・福本ジローによる、ハリウッドの大作から日本映画の小品までスポットを当てる新作映画専門批評サイト。

ゲットバック

otello2012-11-15

ゲットバック STOLEN

監督 サイモン・ウェスト
出演 ニコラス・ケイジ/ジョシュ・ルーカス/マリン・アッカーマン/サミ・ゲイル
ナンバー 280
批評 ネタばれ注意! 結末に触れています

長年会えなかった娘は、もう子供ではなかった。父の問いかけにろくに答えず、プレゼントのぬいぐるみも突き返す。刑務所にいる間娘との再会を唯一の希望としてきた男と、突然消えた父親の顔など見たくない娘、「愛は時間を止め、時間は愛を止める」という言葉に象徴されるこの父娘の関係が切ない。映画は、愛娘を人質に取られた男が身代金を作るために再び犯罪に手を染めていく姿を描く。FBIに追われながら誘拐犯を探し、逃げながら解決策を模索しなければならない絶体絶命の危機の中でひたすら疾走する主人公を、ニコラス・ケイジがお得意の苦悩する表情で演じ切る。

銀行強盗に失敗し、盗んだ現金を携えずに投降したウィルは、8年の服役後仮釈放となる。しかし、かつての仲間・ヴィンスはウィルがカネを独り占めしたと思い込み、ウィルの娘・アリソンを拉致し分け前を要求、ウィルは仕方なく新たな強盗計画を練る。

ヴィンスは自らの死を巧みに偽装して他人になり済まし、FBIのファイルでも死亡扱いゆえウィルはなかなか彼の尻尾をつかめない。その間もアリソンの命の期限は迫ってくる。奪ったタクシーのGPSを使い、FBIの銃撃をかわしながらヴィンスの消息を尋ねまわるウィル。走り、跳び、落下しても怯まず、渋滞する道路をタクシーでブッ飛ばす。ところが、ノンストップアクションになるべきシーンは演出もカメラワークもキレに乏しく、スピード感がイマイチ。特撮に頼らないチャレンジはよいが、逆に生ぬるさばかりが目立ってしまった。

◆ネタばれ注意! 以下 結末に触れています◆

そもそも、カネの入ったバッグをひとりで持ち去り、捕まった時に手ぶらなら、どこかに隠したと思われて当然。さらに、“罪を軽くするため”に札束を燃やしたとウィルは言うが、カネは全額銀行に返した方が情状酌量の余地もあったはずだが。また、ナンバーから足がつきやすい紙幣より金塊の方が汎用性はあるだろう。なんか、元々のウィルの計画と判断自体に問題のある作品だった。。。

オススメ度 ★★

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