こんな映画は見ちゃいけない!

映画ライター・福本ジローによる、ハリウッドの大作から日本映画の小品までスポットを当てる新作映画専門批評サイト。

トワイライト・サーガ/ブレイキング・ドーン Part2

otello2012-12-01

トワイライト・サーガ/ブレイキング・ドーン Part2
The Twilight Saga: Breaking Dawn - Part 2

監督 ビル・コンドン
出演 クリステン・スチュワート/ロバート・パティンソン/テイラー・ロートナー/ビリー・バーク/ピーター・ファシネリ/エリザベス・リーサー/ケラン・ラッツ/ニッキー・リード/ジャクソン・ラスボーン/アシュリー・グリーン/マイケル・シーン/ダコタ・ファニング
ナンバー 294
批評 ネタばれ注意! 結末に触れています

今まで見えなかったものが見え、聴こえなかった音が聴こえる。風よりも速く走り獣より高く跳べる。五感は冴え渡り、体に漲るエナジーを抑えきれない。恐るべき身体能力を身に付けるが、その代償は耐えがたい血への渇望。そんな、転生したヒロインの感覚がリアルに再現される。映画は難産で命を落としそうになり、ヴァンパイアとなって蘇生した彼女が夫と娘のために戦う過程を描く。禁断の恋に苦悩する弱き人間だったころは守られる立場だったのが、強大な力を手に入れ愛する者たちを守る立場になる。母として、自らの宿命に決着をつける姿はシリーズ中最も輝いている。

カレン家の一員となったベラはエドワードと幸せに暮らしつつも、娘・レネズミの成長の速さに驚いていた。だが、人間とヴァンパイアの混血は災いをもたらすと考えるイタリアのヴァンパイア・アロの一派がレネズミを抹殺しようとする。

レネズミが決して危険人物ではないことを証明するために、カレン一家は世界中のヴァンパイアたちに協力を求める。特異なパワーを持つヴァンパイアたちがカレン家に集合し、雪原でアロ一派と対峙する様は超能力大戦の様相を呈す。狼族も加勢し、敵味方入り乱れての大混戦は前4作を大幅に上回るスケールで目を楽しませてくれる。ここでは人間は完全に脇役、ベラの父と彼の恋人以外はすべてモンスターという顔ぶれは、もはやこのサーガ中の独立した異色の一篇といった趣すらあった。

◆ネタばれ注意! 以下 結末に触れています◆

そしてレネズミこそジェイコブにとって運命の相手。これまで散々ベラに尽くしながらも肝心な時には彼女に袖にされ、怒りと嫉妬と失望を抑制し苦虫をかみつぶした表情で我慢していたジェイコブの思いがやっと報われる。エドワードとベラの出来過ぎた永遠の愛よりも、ジェイコブの純粋な願いが叶う未来のビジョンの方が数段美しかった。それにしても、ヴァンパイアでいちばんの能力者はやはりアリスかな。。。

オススメ度 ★★★

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