こんな映画は見ちゃいけない!

映画ライター・福本ジローによる、ハリウッドの大作から日本映画の小品までスポットを当てる新作映画専門批評サイト。

ダイ・ハード/ラスト・デイ

otello2013-02-16

ダイ・ハード/ラスト・デイ A GOOD DAY TO DIE HARD

監督 ジョン・ムーア
出演 ブルース・ウィリス/ジェイ・コートニー/コール・ハウザー/メアリー・エリザベス・ウィンステッド/ユーリヤ・スニギーリ/ゼバスチャン・コッホ
ナンバー 39
批評 ネタばれ注意! 結末に触れています

米国内のさまざまな建物や施設を“正義”のもとに破壊の限りを尽くしてきた男が、今度はロシアで大暴れする。モスクワで拘留された息子に会いに行くというごく私的な要件であるにもかかわらず、息子が事件の当事者と知ると、ここぞとばかりに首を突っ込んで大暴走。軍用車両で渋滞する道路の普通車を跳ね飛ばし、一般市民の四駆を奪って踏みつぶす。もはや「世界一ツイてない男」より「世界一迷惑な男」の呼び名が似あう主人公、そのタフネスぶりは人間をはるかに凌駕し、超人の域に達している。

トラブルに巻き込まれたジャックの公判中、突如武装集団が裁判所を襲う。ジャックは同時に護送されてきたロシアの政商・コマロフを連れ逃亡するが武装集団が追跡、居合わせたジョンもジャックを援護するためにトラックで後を追う。

ジャックはCIAの工作員としてコマロフを亡命させようとしていたのだが、コマロフが持つとされる「リスト」を狙う組織に邪魔をされ、隠れ家を襲撃された上支援者も殺される。いまや頼れるのはケンカ別れした父・ジョンだけ。一方でジョンもまた、少々危なっかしいが銃器の扱いとタフな肉体を受け継いだ息子を一人前の男と認めていく。そこにロシア人殺し屋との対決やコマロフ父娘の裏切りと愛を絡めるが、映画は基本的に銃弾の雨をかいくぐりながら反撃するマクレーン父子の荒唐無稽な大活劇に焦点を当て、カーチェイスから銃撃戦、ヘリでの空中戦まで、これでもかとアクションを詰め込んでいく。

◆ネタばれ注意! 以下 結末に触れています◆

その後、舞台をチェルノブイリに移し、悪党どもとの最終決戦に臨むが、ここでもひたすら行き当たりばったりにぶっ放し、高所からジャンプするなどの大味なスタントを繰り返すのみ。原点に帰って、伏線を張り巡らせたアイデアたっぷりの脚本を練り上げるべきだった。そして、時に弱音を吐く人間味あふれるヒーロー像を取り戻してほしい。。。

オススメ度 ★★

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