こんな映画は見ちゃいけない!

映画ライター・福本ジローによる、ハリウッドの大作から日本映画の小品までスポットを当てる新作映画専門批評サイト。

レッド・ライト

otello2013-02-19

レッド・ライト RED LIGHTS

監督 ロドリゴ・コルテス
出演 ロバート・デ・ニーロ/キリアン・マーフィ/シガーニー・ウィーヴァー/エリザベス・オルセン/トビー・ジョーンズ
ナンバー 41
批評 ネタばれ注意! 結末に触れています

ポルターガイストや超能力は本当に実在するのか。さまざまな現場に立ち会いトリックの種明かしをしてきた研究者は、科学で説明できないことはないと信じている。彼女の若い助手も厳密な実験の末否定的見解に傾いている。物語は彼らが、再び姿を見せた伝説の超能力者に挑戦していく過程で、ある種ホラーのトーンを帯びていく。いつも見られているような違和感、答えのない問いに堂々巡りをする焦燥感、ジワジワと追い詰められていく恐怖。それらの感情が濃縮された暗く冷たい映像は徐々に観客の心に疑惑と不安を植え付けて煽り、ただならぬ世界に導いていく。

科学者のマーガレットと物理学を専攻する助手のトムは“霊能者”や“超能力者”の嘘を研究をしている。ある日、30年前に引退した超能力者・サイモンが突如復帰、トムは彼の調査を主張するが、マーガレットは頑なに拒む。

かつてサイモンに病気の息子の願望を突き付けられたマーガレットは、彼に対してだけは信念が揺らいでいる。さらにサイモンの“人を殺す能力”に脅え冷静さを失っていく。トムは彼女に不満を持つが、サイモンの超能力調査チームにうまく潜り込んで彼がもたらす超常現象を映した動画を精査するチャンスを得る。果たしてサイモンは本物なのかペテンなのか、マーガレットやトムの身辺にも奇怪な現象が起き始め、2人は次第に身動きがとれなくなっていく。映画は人智を超えた何らかのパワーの存在に説得力を持たせつつ、邪悪な雰囲気を漂わせて胡散臭さも残す。

◆ネタばれ注意! 以下 結末に触れています◆

マーガレットが急死し、トムは学生の協力を得てサイモンと対決するが、結局、サイモンのある種のインチキは見破るもののすべてを解明しきれたわけではない。そんな消化不良感を抱えたまま、更なるどんでん返しの中に放り込まれるのだが、「それはないやろ」と突っ込みたくレベル。トムは科学者と超能力者のふたつの人格を持っていたというオチなのだろうか。世の中には科学や理性では理解できないモノはたくさんあるはず、この作品もその一つだった。。。

オススメ度 ★★

↓公式サイト↓