こんな映画は見ちゃいけない!

映画ライター・福本ジローによる、ハリウッドの大作から日本映画の小品までスポットを当てる新作映画専門批評サイト。

G.I.ジョー バック2リベンジ

otello2013-05-17

G.I.ジョー バック2リベンジ G.I. JOE: RETALIATION

監督 ジョン・チュウ
出演 ブルース・ウィリス/イ・ビョンホン/チャニング・テイタム/エイドリアンヌ・パリッキ/レイ・パーク/ドウェイン・ジョンソン/ジョナサン・プライス
ナンバー 88
批評 ネタばれ注意! 結末に触れています

命綱だけを頼りに峻険な雪山の断崖絶壁を疾走し跳躍する。あらゆる方向から襲い掛かる敵を斬り谷底に叩き落とすシーンは、地上戦では見られない立体感。3Dの特性を生かした圧倒的な迫力となってスクリーンから飛び出してくる。また、相手が投げる手裏剣を銃弾で撃ち落とす逆転の発想も視覚的には非常に斬新だ。映画は破壊と殺戮のアクションに徹した前作をパワーアップさせ、バトルゲームに迷い込んだような臨場感を味あわせてくれる。他方、俳優たちの鍛え上げられた肉体がCGでは表現できないリアルな重量感を再現し、ド派手な映像に血を通わせている。さらに正義と悪というわかりやすい構図で主人公たちに苦悩する時間を与えず、物語を加速させるところが潔い。

パキスタン大統領暗殺犯の濡れ衣を着せられたG.I.ジョーたちは米国大統領の命令を受けた米軍から奇襲を受ける。生き残った3人は初代G.I.ジョーを訪ね、部隊の再編制に助力を恃む。一方、ストームシャドーがコブラコマンダーを救出、コブラは世界制覇に乗り出す。

古井戸に逃げた隊員たちが這いあがろうとする。背中を密着させ井戸の壁に足を延ばし、タイミングを合わせて少しずつ登っていく。屈強な巨漢と自己主張の強い若者、そして女性隊員の体力がまったく違う3人、呼吸がずれるとすぐに落ちてしまう。命がけで戦う特殊部隊員にとってチームワークがいかに大切か、彼らが身を以て証明する。全編フルスピードの展開の中、生身の人の知恵と力が凝縮された印象に残る場面だった。結局、いくら最新装備を使いこなそうとも最終的には個人の持つ“人間力”が試されるのだ。

◆ネタばれ注意! 以下 結末に触れています◆

やがてホワイトハウスを乗っ取ったコブラは核保有国に核兵器の廃棄を迫るが、復活したG.I.ジョーたちに阻まれる。その過程は大がかりな戦闘用ビークルやハエ型爆弾などの銃撃と爆裂で息つく間も与えない。ストーリーの詳細が思い出せないほどの強烈な刺激の連続に、見終わったあともしばし放心状態になってしまった。。。

オススメ度 ★★*

↓公式サイト↓