こんな映画は見ちゃいけない!

映画ライター・福本ジローによる、ハリウッドの大作から日本映画の小品までスポットを当てる新作映画専門批評サイト。

モンスターズ・ユニバーシティ

otello2013-07-08

モンスターズ・ユニバーシティ MONSTERS UNIVERSITY

監督 ダン・スキャンロン
出演
ナンバー 167
批評 ネタばれ注意! 結末に触れています

少年時代に胸に刻んだ夢、それを実現するために初志を貫き通す。素質がない、向いていない、お前には絶対に無理…。そんな他人の言葉に傷つきながらも猛勉強する主人公。努力は才能に勝る、映画は、後に“怖がらせ屋”となるモンスターの若き日を描く。希望に満ちた未来、新たな出会いと発見、理不尽な挫折と再起、自分を信じ仲間と助け合い目標に向かって走り続ける彼の姿は青春の輝きにあふれてている。たどり着く方法一つだけではない、創意と熱意、そして諦めない意志があれば道はおのずと開けてくるとこの作品は教えてくれる。

キュートなモンスター・マイクは“怖がらせ屋”を目指してモンスターズ・ユニバーシティの門をくぐるが、早々と学長から“怖がらせ屋”失格を申し渡される。マイクは友人を集めて学内の“怖がらせ大会”にエントリー、優勝したら復学させると学長の言質を取る。

その過程でマイクは、エリート一家出身のサリーに、身を以て切磋琢磨する大切さを教える。一方でサリーは座学ばかりのマイクに身体の使い方を指南する。最初はいがみ合っていた2人はいつしかお互いを認め合って無二の親友になり、落ちこぼればかりのチームメイトにもそれぞれの個性を効果的に生かす術を身に付けさせる。進退を賭けた彼らは、ギリギリの戦いを強いられるなかで、ひとりでは力が及ばなくても協力しあえば乗り切れることを学んでいく。

◆ネタばれ注意! 以下 結末に触れています◆

そのあたりの展開はあえてありきたりに済ませ、もうひとひねり加えて興味を引っ張り、人間が抱く“恐怖”の本質に迫っているところが素晴らしい。一流の“怖がらせ屋”は、外見や音で驚かせたり危険を感じさせたりするのではなく、人間の想像力を刺激して彼らの心に警報を鳴らしているのだ。マイクはそこに気づき、ユニークな怖がらせ方を思いつく。それを知ればもはや大学に通う必要はない、プロの職人に学歴は不要という実力主義もチャンスの国らしくて好感が持てた。。。

オススメ度 ★★★

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