こんな映画は見ちゃいけない!

映画ライター・福本ジローによる、ハリウッドの大作から日本映画の小品までスポットを当てる新作映画専門批評サイト。

グランド・イリュージョン

otello2013-10-27

グランド・イリュージョン NOW YOU SEE ME

監督 ルイ・レテリエ
出演 ジェシー・アイゼンバーグ/マーク・ラファロ/メラニー・ロラン/モーガン・フリーマン/マイケル・ケイン/ウディ・ハレルソン/ アイラ・フィッシャー/デイヴ・フランコ
ナンバー 261
批評 ネタばれ注意! 結末に触れています

言葉で思考を混乱させ、視覚で注意を惹きつけ、トリックで心を操る。考える時間を与えない畳み掛ける映像は、極上のショーを見ているスピード感。映画の“嘘を本当らしく見せる技術”がいかにマジックと相性がよいかをあらためて思いださせてくれた。物語は4人のマジシャングループが、華麗なステージから観客を欺き、警察を出し抜く姿を描く。犯罪者なのかパフォーマーなのか、売名なのか復讐なのか。追う者と追われる者、二転三転する展開の中で徐々に明らかになる過去との因縁、その意外な真実にたどり着くまで映画は疾走する。

瞬間移動強盗ショーを成功させたフォー・ホースメンのメンバーは、FBI捜査官・ディランに拘束されるが、証拠不十分で釈放される。ディランはパリから来た刑事・アルマと種明かし屋のサディアスを伴い、ホースメンの2度目のショーに潜入する。

常にFBIの数歩先を行き、ディランを手玉に取るホースメンたち。あらゆる準備を入念に行い、想定されるハプニングをすべて計算して実行に移す。サディアスは瞬間移動強盗のカラクリをディランに教えるが、それは恐ろしく手の込んだ危険な作業。もはやマジックの域を超えた文字通り犯罪なのだが、決して弱い者から盗もうとはせず、暴力も極力避ける彼らの洗練された手口からは、知的なゲームを挑まれているような心地よい刺激を受ける。一方で功を焦るディランの間抜けぶりは拍車がかかり、権力をコケにする爽快感も味あわせてくれる。

◆ネタばれ注意! 以下 結末に触れています◆

やがて最大のショーのためにNYに結集したホースメンをディランは追い詰め、彼らの真の目的を知る。そして始まった、街全体を舞台にし数千の群衆を動員した、光と影・熱狂と興奮の壮大なイリュージョンは思わず目を見張る。ただ、5人目のホースメンは誰なのかという、最後の種明かしには肩透かしを食った。彼の無能が伏線として機能してはいたが、“大いなる幻影”と名乗るには画竜点睛を欠く感が否めない。。。

オススメ度 ★★*

↓公式サイト↓