こんな映画は見ちゃいけない!

映画ライター・福本ジローによる、ハリウッドの大作から日本映画の小品までスポットを当てる新作映画専門批評サイト。

MIA ミア

otello2014-02-07

MIA ミア Born of War

監督 ビッキー・ジューソン
出演 ソフィア・ブラック=デリア/ジェームズ・フレイン/リディア・レオナルド/フィリップ・アルディッティ/ジョーイ・アンサー
ナンバー 302
批評 ネタばれ注意! 結末に触れています

復讐、そしてアイデンティティを取り戻すために、家族を奪われた娘は己の手を血に染めて生きる決意をする。自ら囮となって危険の中に突き進み、身体能力と機転をフル活用してサバイバルしなければならない。その果てに見たものは邪な正義と絶望。物語はテロリストに両親を惨殺された娘が、情報機関と協力して仇を討とうと銃弾と爆弾が飛び交う戦場に身を投じる姿を描く。だが、行く先に立ちはだかるのは欺瞞と偽りに満ちた罠だらけの世界。新たな身分を与えられた彼女は“自分”をみつける度に嘘に直面し、幾重にも偽装された真実は彼女の怒りに火をつける。向う見ずなほどの勇気とどんな状況にも動じない精神力、さらに激痛にも耐える強靭な肉体を持つヒロインにはただ目を見張るばかりだった。

かつて中央アジアの山岳地帯で部族リーダー・カリドと暮らしていた英国人・ダフネは、ソ連軍の攻撃を誘導したと誤解され逃亡。20数年後、隠棲したダフネの住宅を殺し屋が襲撃、彼女の娘のミーナは妹を連れて脱出、MI6に保護される。

カリドに身柄を狙われているとMI6の担当官・オリビアに教えられたミーナは、カリドの潜伏場所を特定する手伝いを申し出る。傭兵のサイモンに銃器の扱いを学び、サイモンのバックアップを受けながらカリドとの面会を果たす。しかし、ミーナの想像とは180度違う慈愛あふれた父親の顔をカリドは見せ、ミーナはオリビアに騙されていたことに気づく。

◆ネタばれ注意! 以下 結末に触れています◆

善悪二元論ではなく、利権に群がるMI6プラス地元ギャング対環境保護を訴える地元組織という構図は、ミーナの中の価値観を二転三転させ、先が読めない展開は最後まで興味が尽きない。ところが、ミーナに手玉に取られるほど殺し屋たちのレベルが低い上、訓練を受けたプロの戦士っぽい技のキレ味をミーナが見せるわけでもなく、そこを短いカットでごまかそうとしてまどろっこしい映像になってしまう。プロットはよかっただけに、もう少し丁寧に作ってほしかった。

オススメ度 ★★

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