こんな映画は見ちゃいけない!

映画ライター・福本ジローによる、ハリウッドの大作から日本映画の小品までスポットを当てる新作映画専門批評サイト。

ジャッカス/クソジジイのアメリカ横断チン道中

otello2014-02-25

ジャッカス/クソジジイのアメリカ横断チン道中
ACKASS PRESENTS BAD GRANDPA

監督 ジェフ・トレメイン
出演 ジョニー・ノックスヴィル/ジャクソン・ニコル
ナンバー 42
批評 ネタばれ注意! 結末に触れています

誰も考え付かなかったお馬鹿でお下劣な一発芸のオンパレードとは違い、今回はジジイが孫を父親の元に届けるというストーリーが、一応ある。老人と子供が徐々に心を通わせていくロードムービーの王道に向けて放たれた強烈なパンチはここでも健在だ。だがその場に居合わせた一般人に絡み反応を楽しむ趣向は、時に悪趣味に満ち大顰蹙を買いまくる。当然そんな芸当を見せられているこの映画の観客も不快になるが、下ネタに走りがちなジョニー・ノックスヴィルに対し孫を演じた少年・ジャクソン・ニコルの芸達者のおかげでかなり救われていた。

妻に先立たれたアーヴィングの前に娘が現れ、アーヴィングの孫・ビリーを父親のところに届けてくれと頼まれる。しぶしぶ引き受けるが、道中やりたい放題のアーヴィングはビリーの面倒を見ようとはしない。

ところがビリーもアーヴィングの血を引いているだけあって、他人を困らせるのが大得意。不幸な身の上を口にしておばさんに気の毒がられたり、見知らぬオッサンにパパになってくれとせがんだり、アーヴィンのナンパを手伝ったりとすっかり祖父と意気投合する。旅の道連れとして時間を共にするうち良き友人となった2人は、悪ふざけの集大成として美少女コンテストに出場する。

◆ネタばれ注意! 以下 結末に触れています◆

狼狽する人、唖然とする人、眉根をひそめる人、面白がる人、迷惑がる人、当意即妙の切り返しをする人……。アーヴィングとビリーの狼藉に対する人々のリアクションを隠しカメラにおさめるのはある種のドッキリカメラ。それらの種明かしがエンドロールで行うのだが、皺だらけのジジイの正体がジョニー・ノックスヴィルと知ると、騙された人は怒りよりもむしろ彼の作品に参加できたことを喜んでいるよう。それだけジョニーのコンテンツは米国内でポピュラーなのだろう。女装してセクシーダンスを踊る新たな相棒を得たこのシリーズ、今後はこのコンビで行くのか。。。

オススメ度 ★★*

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