こんな映画は見ちゃいけない!

映画ライター・福本ジローによる、ハリウッドの大作から日本映画の小品までスポットを当てる新作映画専門批評サイト。

劇場版 仮面ティーチャー

otello2014-02-26

劇場版 仮面ティーチャー

監督 守屋健太郎
出演 藤ヶ谷太輔/菊池風磨/ジェシー/原幹恵/大政絢/萩原聖人/斎藤工/遠藤憲一
ナンバー 44
批評 ネタばれ注意! 結末に触れています

荒廃した学校教育に秩序を取り戻すには、指導あるのみ。その信念のもと、教育省から送り込まれてきた教師は、圧倒的な暴力で自らの理想を徹底させようとする。風紀を糺し校則を守らせすべての生徒を品行方正な人間にたたき直す姿はある種全体主義的な空気が漂うが、彼の少しピントがずれた言動の数々はむしろ笑いを誘う。教育現場に復讐の念を持って乗り込んできた男を演じる遠藤憲一が、希望、挫折、トラウマそして怒りといった感情を使い分け、若手タレントばかりの世界でひとり気を吐く。彼の怪演なくしてこの映画は成立しなかっただろう。

華空学院の不良たちと心を通わせることに成功した教師・荒木は、新たに赴任してきた副校長・羅門に生徒の扱い方を否定される。羅門は部下の阿南と共に厳しい減点制を学校に導入した上、新生徒会を発足させて非行を取り締まる。

反発する生徒たちは仮面をつけた羅門ら3人組に容赦なく制裁を加えられ、荒木が担任を務めるクラスの不良グループも崩壊に追い込まれる。仮面ティーチャーに変身した荒木が救出に向かっても羅門たちには全く歯が立たない。そのあたり、甘ったれたガキ共に社会生活を送るというのはどういう気構えが必要かを体罰をもって教え込む羅門らの行為は心地よいくらい。中途半端にイキっている彼らに喝入れるシーンはすがすがしさすら感じた。

◆ネタばれ注意! 以下 結末に触れています◆

だが、羅門らに反感を覚える勢力が結集、リベンジの決戦に挑む。ところが、後半の展開はもはや物語の体を成しておらず、ただ「嵐」の後継者となるような次世代ジャニーズのエース候補の顔見世に終始する。そこで繰り広げられる派手な格闘アクションは見かけだけの安っぽさで、特に阿南はハイヒールのブーツを履いていたのにカットが変わると平底ブーツになっていたりするなど、詰めの甘さが目立つ作品だった。

オススメ度 ★★

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