こんな映画は見ちゃいけない!

映画ライター・福本ジローによる、ハリウッドの大作から日本映画の小品までスポットを当てる新作映画専門批評サイト。

パラノーマル・アクティビティ 呪いの印

otello2014-03-29

パラノーマル・アクティビティ 呪いの印
PARANORMAL ACTIVITY: THE MARKED ONES

監督 クリストファー・ランドン
出演 モリー・イフラム/リチャード・カブラル/アンドリュー・ジェイコブス
ナンバー 72
批評 ネタばれ注意! 結末に触れています

“守護天使”かの問いかけには“NO”と答え、“善き者”かの問いには沈黙する。身に宿った特別な力、その源に対しておもちゃの交霊器を通して疑問をぶつけた青年は、返答に背筋を凍らせる。重力を操り巨大な肺活量を得たのに、それが悪霊の為せる業と知り、自らの運命に脅えるのだ。物語は、奇妙な儀式を覗き見し、呪いの刻印をつけられてしまった主人公が、徐々に肉体と精神を邪悪な存在にとってかわられていく過程を描く。今回は固定カメラがとらえた映像のつなぎ合わせではなく、全編ハンディカメラで撮影されたフェイクドキュメンタリーの体裁。カメラを持つ主人公が感じるおぞましさをリアリティたっぷりの皮膚感覚で味あわせてくれる。

高校卒業祝いにビデオカメラをもらったヘクターとジェシーは身辺の出来事を記録し始める。ある日階下に住む怪しげな女・アナが殺されると、彼らは無断で彼女の部屋に侵入、翌朝ジェシーの腕な何かに噛まれたような痕が残っていた。

不思議な力で万能感に浸れたのは束の間、ジェシーは体内で起きる変化の謎を解こうとヘクターやマリソルらの仲間と共に調査を開始する。アナの地下室で見つけた写真、突然死した友人の部屋にあった連絡先、そしてすべてはケイティとクリスティというこのシリーズの起点となった人物につながっていく。もちろんジェシーたちは過去の因縁を知らないのだが、1作目から見ている者にとっては彼らがどんな最期を迎えるか、楽しみになってくる。

◆ネタばれ注意! 以下 結末に触れています◆

プロのジャーナリストでもないのに、命の危機が迫っているときにライトを当てレンズを向け続けられるのかといったツッコミは覚悟の上、それでも常に動きまわるカメラは、多少のイラつきは覚えるものの息をのむ緊張感を醸し出す。日常のありふれた風景に突如闖入する異常が強烈な違和感を生み、正体がわからないゆえに恐怖する。そのあたりの人間の心理をよく研究した作品だった。

オススメ度 ★★*

↓公式サイト↓