こんな映画は見ちゃいけない!

映画ライター・福本ジローによる、ハリウッドの大作から日本映画の小品までスポットを当てる新作映画専門批評サイト。

ガーディアンズ・オブ・ギャラクシー

otello2014-08-12

ガーディアンズ・オブ・ギャラクシー
Guardians of the Galaxy

監督 ジェームズ・ガン
出演 クリス・プラット/ゾーイ・サルダナ/デビッド・バウティスタ/ビン・ディーゼル/ブラッドリー・クーパー/リー・ペイス/マイケル・ルーカー/カレン・ギラン/ジョン・C・ライリー/グレン・クローズ/ベニチオ・デル・トロ
ナンバー 184
批評 ネタばれ注意! 結末に触れています

思い出の詰まった音楽が録音されたカセットテープと古ぼけたウォークマンは地球人の誇り。舌先三寸で相手を言いくるめる機転と何者も恐れぬ度胸で宝物を手に入れる男は宇宙の危機に直面する。物語は正統派ヒーローとは程遠い主人公が、同じような利己的な男女を束ねて強大な敵と立ち向かう姿を追う。正義や大義といった思想信条には縁がなく、役人・警官は大嫌い。だがそれ以上に自由を奪おうとするヤツは許せない。性格も考え方もバラバラな5人が、たとえ成り行きであっても協力し助け合ううちに、固い友情で結ばれていく過程が小気味よい。そして星間に散らばる様々な惑星を詳細に再現したヴィジュアルは、息をのむほど壮大だ。

トレジャーハンターのピーターは無限のパワーを持つ秘石・オーブを盗んだことから、暗殺者のガモーラ、賞金稼ぎのロケット&グルートらに狙われ騒動となる。逮捕・収監されるが、監獄で囚人のドラックスを引きいれ脱獄を図る。

折しも銀河系の支配を目論む闇の勢力が邪悪の化身・ロナンに命じてオーブの行方を追跡させ、宇宙の平和を乱す。こうした惑星同士の対立の構造に巻き込まれた主人公らが救世主になる展開は、まるで“フォース使いの登場しないスター・ウォーズ”。ロナン軍に挑むのが自己主張丸出しの面々なのが楽しい。監獄で他のメンバーの命を救ったピーターは必然的にリーダーとなるが、まったく頼りなく仲間の助力なしでは戦えない。一方で、アライグマの外見を気にするロケットや、父の道具にされたガモーラ、妻子の仇を討ちたいドラッグスは、それぞれに苦悩と葛藤を抱えて生きている。このあたりのキャラクターの描き込み方が手際よく、誰もが誰かに共感できる構成になっている。

◆ネタばれ注意! 以下 結末に触れています◆

そんな中、樹木型ヒューマノイド・グルートの存在感が群を抜いている。癒されキャラでありながらカネの話には敏く、実は戦闘能力が高い上に自己犠牲の精神も強い。彼の再生能力が次回作以降の活躍を期待させる。

オススメ度 ★★★

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