こんな映画は見ちゃいけない!

映画ライター・福本ジローによる、ハリウッドの大作から日本映画の小品までスポットを当てる新作映画専門批評サイト。

サボタージュ

otello2014-11-10

サボタージュ SABOTAGE

監督 デヴィッド・エアー
出演 アーノルド・シュワルツェネッガー/サム・ワーシントン/ミレイユ・イーノス/テレンス・ハワード/オリヴィア・ウィリアムズ
ナンバー 261
批評 ネタばれ注意! 結末に触れています

マシンガン同士の銃撃戦では飽き足らず、重機関銃が壁をブチ抜き、爆薬がドアを破壊する。そこはまるで戦場のような修羅場。豈図らんや、主人公率いるチームはギャングたちを倒した後、押収した札束に手を付ける。よくある麻薬組織対特殊部隊の血みどろのアクションと思わせておいて、いきなりのきな臭い行動に、これまでのシュワルツェネッガー映画とは一味違う“何か新しいもの”を期待してしまった。物語は、停職処分を受けていた特殊部隊員たちが謹慎が解けた途端に一人また一人と残忍に処刑され、地元の女刑事が事件の真相を追う姿を描く。カルテルの報復なのかカネを巡る仲間割れなのか、捜査するほど濃くなる疑惑の闇。度胸満点の女潜入捜査官に扮したミレイユ・イーノスがクレイジーな魅力を放つ。

横領の嫌疑が晴れた隊長のジョンはDEA強行突入班に復職、チームの再結成を祝ったのもつかの間、メンバーが惨殺される。謀殺の匂いを嗅ぎつけた刑事・キャロラインは執拗にジョンに迫る。

その後も部下が天井に釘付けされると、ジョンはメキシコのカルテルが送った殺し屋の手口と断定、さらにもう一人部下が命を落とす。ところが今度は殺し屋たちの死体が発見され、隊員殺害には別の犯人がいることが判明、キャロラインはますます混迷を深めていく。やがてジョンの秘められた過去が明らかになるうちに生き残った隊員同士も疑心暗鬼に駆られ、裏切りと欺瞞に満ちた殺意と罠がエスカレートしていく。開いたトランクに女隊員を乗せたままクルマを激走させるカーチェイスは息が詰まるほどの緊張を体験させてくれる。

◆ネタばれ注意! 以下 結末に触れています◆

だが、謎が謎を呼ぶ展開というより、アイデアばかりが先走って迷走しているだけ。しかも山小屋に籠った隊員と4人の殺し屋のイメージを挿入してミスリードするのは映画文法違反だろう。そもそも、妻子の復讐には豊富な資金が必要なのはわかるが、ジョンは部下を殺さなければならなかったのか。こんなリーダーを信用していたとは死んだ部下たちも浮かばれまい。。。

オススメ度 ★★

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