こんな映画は見ちゃいけない!

映画ライター・福本ジローによる、ハリウッドの大作から日本映画の小品までスポットを当てる新作映画専門批評サイト。

エクストラ テレストリアル

otello2015-07-29

エクストラ テレストリアル EXTRATERRESTRIAL

監督 コリン・ミニハン
出演 ブリタニー・アレン/フレディ・ストローマ/メラニー・パパリア/ジェシー・モス/ショーン・ロジャーソン/マイケル・アイアンサイド
ナンバー 178
批評 ネタばれ注意! 結末に触れています

人里離れた森の別荘でバカ騒ぎするために集まった男女が、得体のしれない“怪物”に襲われる。通信は遮断され助けは呼べない、恐怖におののきながらひとりまたひとりと犠牲になっていく。B級ホラー定番の設定、ここでは地球外知的生命体が“怪物”の役割を担う。彼らの目的は侵略ではなく、とりあえず積極的な攻撃の意志はない。それでも仲間を殺された仇はきちんととる、甘くない異星人。物語はUFO墜落現場近くで遭難した異星人のひとりを撃ってしまった若者たちが報復を受ける過程を描く。ロズウェル型の膨らんだ頭と尖ったアゴ・黒光りする大きな目に加え、クモのように手足が長く身長が2メートルを超える異星人の造形はありきたりでパロディにもなっていない。こいつが姿を現した途端、この作品への期待が急速にしぼんでいった。

エイプリル、カイル、セス、メラニー、レックスの5人組は巨大な火の玉が落ちるのを目撃、UFOの残骸と奇妙な足跡を発見する。その後、別荘に避難するがドアを開けた異星人に発砲してしまう。

一方、拉致事件を捜査している保安官も現場に到着、どうやら付近一帯はUFO関連事件が多発しているらしく、逐電した保安官の恋人も拉致の疑いがある。さらに追い詰められた異星人は保安官の心を操ったりもする。登場するのは大ヒット映画の影響で定着した、侵略的な異星人をエイリアン、友好的な異星人をETと呼ぶ一般的な認識とは別次元の、新しいタイプの異星人。しかし奴らはいったい地球に何をしに来たのだろう。

◆ネタばれ注意! 以下 結末に触れています◆

調査捕鯨のように、異星人たちが一定量の人間を研究用に拉致するのは米国政府に認められている、らしい。だが、宇宙を旅する科学力があるなら、そんな手段に頼らなくても遺伝子レベルまで分析できるはず。過去の映画のアイデアを換骨奪胎するにしても、もう少し現代風の味付けを加えてほしかった。どうせなら、拉致したのが精巧な人工知能ロボットで異星人たちが腰を抜かすとか。。。

オススメ度 ★★

↓公式サイト↓