こんな映画は見ちゃいけない!

映画ライター・福本ジローによる、ハリウッドの大作から日本映画の小品までスポットを当てる新作映画専門批評サイト。

脳漿炸裂ガール

otello2015-08-04

脳漿炸裂ガール

監督 アベユーイチ
出演 柏木ひなた/竹富聖花/上白石萌歌/ 岡崎紗絵/志田友美/荒井敦史/菅谷哲也/浅香航大
ナンバー 181
批評 ネタばれ注意! 結末に触れています

清楚な制服に上品な言葉使い、おまけに美人揃い。お嬢様が集まる女子高に憧れだけで入学してきたヒロインは、豪勢なランチタイムを満喫するクラスメートを尻目に菓子パンをかじっている。教室内お弁当格差、彼女はネットにつぶやきを書き込んでコンプレックスを紛らわせている。誰が読んでいるのか、きっと誰も読んでいない。ただ、胸にたまった鬱屈を文字にして吐き出して精神のバランスを保っているのだ。物語は、そんな女子高生たちが過酷なサバイバルゲームに駆り出される姿を描く。脱落者は即射殺、生き残れるのはたったひとり。試されるのは知恵と勇気と友情という状況の中で、彼女たちはいちばん大切なものは何かを学んでいく。陳腐な設定ながら、スピード感あふれるクールな映像と、恐怖に歪むJKの表情が楽しませてくれる。

教室に置き忘れたスマホを取りに戻ったハナは、教育実習生に失神させられ、檻の中で目覚める。隣の檻には、優等生のはなも監禁されていた。携帯電話を持っていなはなに、ハナは自分のスマホを貸し与える。

提示された問題を解き、携帯電話で正解を送信しなければ次段階に進めない。誤答者は脳漿を床にぶちまける羽目になる。頭脳明晰なはなはすぐに正答にたどり着くが、ハナにはハードルが高い。それでもいつしかハナとはなの間には一蓮托生の絆が芽生え、協力し合ってステージをクリアしていく。一方で彼女たちを監視し制裁を加える教師たちにも不協和音が生じ始めたりする。いったい何のために、誰が仕組んだのか。ハナははなの秘密を知るうちに、このゲームの黒幕に迫っていく。

◆ネタばれ注意! 以下 結末に触れています◆

優秀なリーダーさえいれば、あとはフォロワーのみのほうが組織はうまく動く。独裁を正当化するような学校の教育方針を暴いたハナは、やっと己の使命に気づく。“自由”とは自己の責任で考え行動すること、空気を読むのに長けたいまどきのJKたちは、“自由”に疲れ、命令に従っているほうが楽でいいと考えているのだろうか。。。

オススメ度 ★★

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