こんな映画は見ちゃいけない!

映画ライター・福本ジローによる、ハリウッドの大作から日本映画の小品までスポットを当てる新作映画専門批評サイト。

死霊高校

otello2015-08-19

死霊高校 THE GALLOWS

監督 クリス・ロフィング/トラビス・クラフ
出演 リース・ミシュラー/ファイファー・ブラウン/ライアン・シューズ/キャシディ・ギフォード/トラビス・クラフ
ナンバー 184
批評 ネタばれ注意! 結末に触れています

アメフトの花形選手で、自分はイケていると思っている少年は、片時もビデオカメラを手放さずクラスメートにちょっかいを出し続ける。先生を小バカにし、真面目に頑張る友人を見下し、笑えないいたずらで周囲を困らせて面白がるなど、何をしても許されると勘違いしている。そんな、ホラー映画では決して生き残れないタイプのキャラが不快感をまき散らし、彼がどんな断末魔を迎えるのか期待が膨らんでいく。物語は高校演劇の上演を妨害するために深夜の学校に忍びこんだ生徒たちが体験する恐怖を描く。彼らが持ち込んだ撮影機器によって記録されたという設定のPOVショットで綴られる映像は、驚きや不安、焦りや後悔、怒りや絶望をリアルに再現し、観客にも彼らの感情を共有させてくれる。

20年前に死亡事故を起こした「絞首刑」の再演で主役を務めるリースは演技に身が入らず、悪友のライアンに公演を中止させようと唆される。2人はライアンのガールフレンド・キャシディと舞台のセットを壊し始める。

3人は校内でリースの相手役・ファイファーと合流するが、開いていたはずの非常口が閉まったまま動かなくなり、スマホも圏外、助けも呼べず外部から孤立する。脱出口を探して校舎内を歩き回るが、ドアも窓もすべてロックされている。さらに怪しい人影が蠢く。何者かが潜んでいる、誰かが仕組んでいる。やがて4人は「チャーリーの呪い」に取り憑かれていると気づく。そして身代わりになって死んだ不気味なハングマンに脅え追い詰められていくうちに、触れてはいけない事実を知る。

◆ネタばれ注意! 以下 結末に触れています◆

この作品では一台のハンディカメラだけでなく、スマホの動画撮影機能も使い、4人が直面する状況が多面的に表現される。そこに映っているのは邪悪なこと不吉なものであるのは間違いない。それでもつい見たくなるのが人間の好奇心。命の危機が迫っても、いや殺されても録画ボタンを放さない彼らの強固な意志には、ある意味悪霊以上の執念を感じた。。。

オススメ度 ★★*

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