親友を苦しめる者は許さない。彼の言うことを聞かない猫は絞め、彼の母親を奪おうとする男は顔の皮をはいでやる! 物語は、最新テクノロジーを満載したAIロボット人形に悪意が芽生え、邪魔者を次々と惨殺していく過程を描く。孤独な少年の遊び相手になるはずだった。信頼で結ばれているはずだった。忠実かつ誠実なパートナーになるはずだった。だが、恨みを残して死んだ男に書き換えられたプログラムは持ち主の意思に反して暴走し、やがて手の付けられない殺人鬼になる。透き通るような青い目が時々不気味に赤く光る。作り笑いのように歪んだ口元が邪悪な空気をまき散らす。なにより子供向けロボットとは思えない話し方。マーク・ハミルが担当した人形の低い声がハン・ソロの名を拒否するシーンには思わず笑ってしまった。
シングルマザーのカレンはひとり息子のアンディのために返品になったAI人形を持ち帰る。チャッキーと名乗ったその人形はアンディに寄り添い、徐々に彼の心を開いていく。
アンディの唯一の友達になったつもりのチャッキーは、アンディがフェリスとバズ姉弟と仲良くしているのを見守っている。友情を裏切られた思いになったのだろう、チャッキーはアンディにつらく当たるカレンの恋人に天誅を加える。凶暴化していくチャッキーにアンディの気持ちは離れ、チャッキーはますます嫉妬をエスカレートさせていく。録音録画機能だけでなくAI家電全般をブルートゥース経由で操り人間たちに復讐していくチャッキーの反乱はむしろHALを想起させ、GAFAに代表される巨大IT企業に日常生活全般を依存する現代社会に警鐘を鳴らしていた。
◆ネタばれ注意! 以下 結末に触れています◆
ただ、チャッキーが最初から単純なヴィラン扱いだったせいで、そのキャラクターに奥行きが欠けていたのが残念。アンディとかけがえのない楽しい時間を共有し “死ぬまで親友” と納得させるようなエピソードを織り込んだ上で、大切な思い出が一方的に壊されたというような展開にしていれば、チャッキーの怒りと憎しみにも少しは共感できたのだが。。。
監督 ラース・クレヴバーグ
出演 オーブリー・プラザ/ガブリエル・ベイトマン/ブライアン・タイリー・ヘンリー/ビアトリス・キットソン/TYコンシグリオ/マーク・ハミル
ナンバー 172
オススメ度 ★★*
↓公式サイト↓
https://childsplay.jp/