飼い主との関係は良好、同類ともうまくやっている。人間の赤ちゃんの成長を見守るのも楽しい。でも家族とアパートでまったりし公園を散歩するだけの閉じた世界にどっぷりと浸かっていていいのか? 物語は、都会で飼いならされたペット犬が忘れていた勇気を取り戻し、虐待されている動物仲間を救出しようとする姿を描く。愛玩動物となって人間のそばで暮らすのではなく不可欠なパートナーとして働いている農場の犬は、自分より数倍大きな家畜にも恐れずに向かっていく。ところが、ぬるま湯のような生活に馴染んでいた主人公は、小さな命を守ろうとして足がすくんでしまう。それでも、信じてくれている他者がいると知った彼は思い切って一歩を踏み出す。己のためではない、誰かのためだからこそ不思議な力が湧いてくるとこの作品は訴える。
ケイティ一家の旅行に随伴したマックスとデュークは宿泊先の農場で労働犬・ルースターと出会う。強靭で厳格なルースターは、人間の役に立つとはどういうことかをマックスに示す。
一方NYでは、スノーボールとデイジーがサーカスのトラを解放する作戦を実行に移す。仕込まれた芸ができず檻の中でオオカミに脅える気弱なトラをスノーボールたちはなんとか脱出させ、アパートに匿う。だが、追っ手に連れ戻されるトラ。旅行から帰ってきたマックスたちもスノーボールに加勢して、次の巡業地に運ばれていくトラの後を追う。疾走する列車の上で繰り広げられる大活劇は、さまざまな実写アクション映画のいいとこ取りしたようなスリリングな展開で、キュートな外見のペットたちの意外な能力が楽しめた。
◆ネタばれ注意! 以下 結末に触れています◆
並行して、猫に変装した愛玩犬・ギジェットが奮闘する。先輩猫の指導の元、忠実に仕えるのではなく己の欲望に従い気まぐれに行動する性質を叩き込まれるシーンは、猫の本質を突いていて思わず笑ってしまった。素直に命令を聞くが愛情の見返りを求める犬よりも、思い通りにならないけれど適度な距離感でつきあえる猫のほうが、やっぱりかわいい。
監督 クリス・ルノー
出演 パットン・オズワルト/ケヴィン・ハート/エリック・ストーンストリート/ジェニー・スレイト/ハリソン・フォード/ティファニー・ハディッシュ
ナンバー 181
オススメ度 ★★*
↓公式サイト↓
https://pet-movie.jp/