こんな映画は見ちゃいけない!

映画ライター・福本ジローによる、ハリウッドの大作から日本映画の小品までスポットを当てる新作映画専門批評サイト。

ワイルド・スピード/スーパーコンボ FAST & FURIOUS PRESENTS: HOBBS & SHAW

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タイトなスーツは銃弾は跳ね返す。増強された視力はどんなに早いパンチやキックも見切る。火器格闘技に精通し自走バイクを自在に操る。全身黒ずくめ、その不死身の男はアベンジャーズ並みの強靭さを誇る。物語は、2人の剛腕エージェントと超人的殺し屋の激闘を描く。鍛え上げられた筋肉の鎧と腕力だけでは敵わない。洗練された身のこなしとスピードで挑んでも歯が立たない。だが2人で協力すれば突破口が見つかるかもしれない。スキンヘッドとスキンヘッド、ライバル心丸出しの2人は強大な敵から人類を守るという目的を共有することで巨大な陰謀をつぶしていく。全編アクションに次ぐアクション、銃撃戦から肉弾戦、カーチェイスから爆破炎上まで、あっと驚く仕掛けの連続に時間を忘れた。細かい展開も覚えていないけれど……。

新型ウイルスを体内に取り込んで姿を消した工作員・ハッティを探すためにホブスとショウが召集される。さっそくホブスはハッティを逮捕するが、彼女はショウの妹だった。

一方肉体改造を施されたブリクストンもウイルスを奪還するためにハッティを追っている。彼女の身柄を抑えたいブリクストンと、彼女の体内のウイルスを無力化するための装置を手に入れたいホブス&ショウはロシアにある研究所で再び対峙する。その間、追う者と追われる者が複雑に交差し立場を変え、もはやストーリーは二の次。圧倒的な疾走感と重量感、文字通り力業でねじ伏せるかのごとき見せ場の波状攻撃は考える暇を与えてくれない。唯一、ハッティを演じたヴァネッサ・カービーの流麗で理に適った護身術が人間らしさを感じさせてくれる。

◆ネタばれ注意! 以下 結末に触れています◆

ハッティを取り戻した2人は、ホブスの故郷・サモアでブリクストンの軍団を迎え撃つ。その際ホブスと彼の一族は銃器の使用を一時的に無効にし、大鉈や棍棒といったサモア伝統の武器を手にする。そして荒唐無稽ともいえるヘリ対4輪バギーの馬力比べ。ヴィン・ディーゼルポール・ウォーカーが公道レースに命を懸けていたころが懐かしかった。

監督  デヴィッド・リーチ
出演  ドウェイン・ジョンソン/ジェイソン・ステイサム/イドリス・エルバ/ヴァネッサ・カービー/ヘレン・ミレン/クリフ・カーティス
ナンバー  183
オススメ度  ★★*


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