あのかわいそうな女の子を支えてあげられるのは僕しかいない。そう決意した犬は死んでもなお彼女を探し続ける。物語は飼い主の孫娘に尽くすために何度も転生した犬の魂の彷徨を描く。可愛がってくれた人々に恩返しがしたい。愛に恵まれない彼女の手助けがしたい。でも時に浅知恵のせいで迷惑をかけたりもする。それでもきちんと相手の目を見つめればきっと思いは通じているはず。肉体という器は違っても記憶や意識や身につけたスキルはそのまま保持している。なにより、どんな時もパートナーとして大切に扱ってくれた飼い主への献身は忘れない。本当は犬にこれほどの知能などないはず。だが、もしかしたら犬のちょっとした表情や仕種にもっと重要な意味が込められているかも……。そんなことを考えさせられる作品だった。
老夫婦の愛犬ベイリーは、今際の際に、育児放棄されていた彼らの孫娘・CJを守ると誓って息を引き取る。数年後、子犬として生まれ変わり10歳になったCJと再会、彼女の飼い犬となる。
自分しか頭にない母親に育てられたCJは子犬を隠れて飼い始める。CJの友達は子犬と中国系の少年しかいないが、愛されない分子犬に愛情を注ぎ彼女なりに成長していく。ところが高校生になり不良と付き合うと、彼女もまた生活が乱れる。犬はなんとか止めようとするが、自己評価の低いCJは半ば自棄になっている。そしてやっと犬に見守られているとCJが気づいたとき、犬は死んでしまう。愛は人間だけのものではない。犬でも立派に人を愛せるとその犬の死は訴える。
◆ネタばれ注意! 以下 結末に触れています◆
その後も転生を繰り返したベイリーの魂はそれぞれの “犬生”でCJと出会い彼女の人生に寄り添う。そのあたり、感情的な盛り上がりをそそる狙いのシーンも多く、犬と人間の交流は感動的に再現される。一方で、犬の忠誠心が人間に都合よく解釈されていて、それが犬自身が人間の言葉で語る上、CJの母をはじめネガティブなキャラもそれらしく扱われている。子供向けの映画なので、このわかりやすさは必要なのだが、少しくどかった。
監督 ゲイル・マンキューソ
出演 デニス・クエイド/キャスリン・プレスコット/ヘンリー・ラウ/マージ・ヘルゲンバーガー/ベティ・ギルピン/アビー・ライダー・フォートソン/ジョシュ・ギャッド
ナンバー 220
オススメ度 ★★*
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