こんな映画は見ちゃいけない!

映画ライター・福本ジローによる、ハリウッドの大作から日本映画の小品までスポットを当てる新作映画専門批評サイト。

フッド:ザ・ビギニング

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目にもとまらぬ速さで矢を番え、3本4本と連射する。時に空中で身をひねりながら、時に建物から飛び降りながら弓を引き、迫り来る追っ手の急所を正確に射貫く。物語は中世イングランドで暴れまわった伝説の義賊の若き日を描く。元々広大な荘園を経営する領主として君臨していた。戦場では命がけで仲間を助け異教徒と戦った。なのに、帰還すると所領も妻ももはや自分のものではない。怒りと絶望で悲嘆に暮れていた彼の前に現れたのは、かつての仇敵。その導きの下、主人公は自らの使命に目覚めていく。剣や槍といった接近戦で使う武器ではなく、少し距離があっても殺傷能力がある弓矢を主に使ったバトルシーンは非常にスピーディかつスリリング、さらに連射可能な巨大な弩から弓そのものを使った格闘まで、アイデア満載のアクションには目を見張った。

十字軍遠征に参加したロビンは軍紀違反で除隊、送還される。だが、4年ぶりに戻った故郷では戦死したことにされていて、領民は鉱山で働かされていた。ロビンはすべてを奪った州長官に復讐を誓う。

ロビンはサラセンの戦士・ジョンに見出され、腐敗した政治とカトリック勢力に反旗を翻す。その際、ジョンに弓術を徹底的に叩きこまれるが、そのトレーニングはまるで「ロッキー」を見ているよう。ロビンは肉体と反射神経と命中精度を極限にまで鍛え上げ、現代の特殊部隊隊員に匹敵する抜群の戦闘能力を持つ戦士に成長していく。そして、関所を襲い勘定所に侵入しては圧倒的な身体能力で窮地を切り抜けるなど、スパイ映画さながらの活躍に手に汗握った。時代考証はかなりいい加減だが、見せる活劇に特化した映像はラストまで息をつけない。

◆ネタばれ注意! 以下 結末に触れています◆

事態は二転三転、ローマから来た枢機卿の陰謀に気づいたロビンは領民たちに蜂起を促す。その後、送り込まれてきた戦士集団との最終決戦。ただ、全力疾走する馬車を使ったスタントは非常に派手だったが、饒舌すぎる音楽が邪魔をして集中できなかった。マリアンの夫の転身も取ってつけたようだったし。。。

監督  オットー・バサースト
出演  タロン・エガートン/ジェイミー・フォックス/ベン・メンデルソーン/イヴ・ヒューソン/ジェイミー・ドーナン/ティム・ミンチン/F・マーレイ・エイブラハム
ナンバー  251
オススメ度  ★★*


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