こんな映画は見ちゃいけない!

映画ライター・福本ジローによる、ハリウッドの大作から日本映画の小品までスポットを当てる新作映画専門批評サイト。

ゾンビランド ダブルタップ

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安全な避難所での暮らしは快適だけれど退屈。うろつくゾンビたちに銃をぶっ放したい衝動が日々抑えられなくなっていった彼らは、よりハードな刺激を求めて踏み出す。物語は、突然離脱した家族同然の姉妹を探すおっさんと若者が、さまざまなゾンビと倒しながらも理想郷にたどり着く過程を描く。ゾンビが支配する絶望的な世界でも希望を失わずに生き残れたのは仲間がいたから。ところがその絆も年月とともに変化し、彼らは別々の道を歩み始める。その先に待っているのは出会い。たとえゾンビでも暴力はイヤ。音楽と大麻があればハッピーになれる。そんなヒッピー文化を信奉する集団がゾンビを迎え撃つ姿は理解し合えない相手のいなし方を教えてくれる。

タラハシー、コロンバス、ウィチタ、リトルロックの4人は安穏と過ごしている。ある日、ウィチタとリトルロックは出立、途中バークレーと名乗る男を拾ってバビロンという避難地を目指す。

後を追うタラハシーとコロンバスにちょっとおバカなマディソンが合流、リトルロックたちに取り残されたウィチタも加わって、4人の珍道中になる。その間、コロンバスを挟んだ微妙な恋ののさや当てがが移動中のミニバンで起きる。気まずい空気をぶち壊すかのごとくタラハシー達はゾンビ退治に夢中になるが、全身に異変が生じたマディソンにコロンバスが断腸の思いで銃を向ける。その後も彼らと似た2人組と遭遇したりする。このあたり登場人物がやたら増えた上に展開が拡散するために、“不死身のゾンビ”もインパクトが薄い。

◆ネタばれ注意! 以下 結末に触れています◆

バビロン入城を許可されたタラハシー達は銃器をすべて融解され、ヒッピーたちと生活を供にするようになる。だが、やはりぬるま湯につかる日々をタラハシーは我慢できない。ヒッピーが打ち上げた花火目指して大挙押し寄せるゾンビ軍団に対して命がけのトラップを引き受けるタラハシー。協力し合ってひとつにまとまるだけが家族ではない、それぞれが新たな夢や生きがいを求めて旅立つのも人生だとタラハシーの背中は訴えていた。

監督  ルーベン・フライシャー
出演  ウッディ・ハレルソン/ジェシー・アイゼンバーグ/エマ・ストーン/アビゲイル・ブレスリン/ゾーイ・ドゥイッチ/アバン・ジョーギア/ロザリオ・ドーソン/ルーク・ウィルソン/トーマス・ミドルディッチ
ナンバー  284
オススメ度  ★★


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