こんな映画は見ちゃいけない!

映画ライター・福本ジローによる、ハリウッドの大作から日本映画の小品までスポットを当てる新作映画専門批評サイト。

ウォーキング with ダイナソー

otello2013-12-25

ウォーキング with ダイナソー

監督 バリー・クック/ニール・ナイチンゲール
出演
ナンバー 305
批評 ネタばれ注意! 結末に触れています

体格は兄弟より劣るけれど、冒険心は誰にも負けない。巣の中でお母さんが運んでくれた食事を食べ、雑食恐竜に襲われた時はお父さんが助けてくれる。物語はそんな幼年期を過ごした一頭の草食恐竜が恋に目覚め、絶体絶命の危機に勇気をふり絞り、やがて群のリーダーになるまでを描く。営巣して卵を産み、孵化した赤ちゃんを両親が育てる姿は、爬虫類に近いと考えられていた恐竜が実は鳥類に近い本能を持っていた事実を示す。さらに群での序列や掟といった習性は哺乳類に近い。化石や地質学の膨大なデータから細密に再現された7000万年前の地球へのタイムトリップは、サバイバルの刺激に満ちている。

キリノサウルス一家の末っ子・パッチは体が小さいためなかなか餌にありつけない。それでも旺盛な好奇心と俊敏な動きで何とか生き延びている。ある日、群の移動中に山火事とゴルゴザウルスの挟み撃ちにあい、パッチは両親を失う。

再びゴルゴザウルスの襲撃を受けたパッチは川に落ち、兄のスカウラー、ガールフレンドのジュニパーと行動をともにしながら、群に戻ろうと荒野をさまよう。その過程で様々な自然の脅威と他の恐竜の種族と出会い、群の中の“社会”しか知らなかったパッチは広大な外の世界を体験し、成長していく。そこで身に着けたのは己を大切にすること。命を投げ出す覚悟は愛する者を守るときだけに使うものだと学ぶ。

◆ネタばれ注意! 以下 結末に触れています◆

時代設定が数千万年違うため「ジュラシック・パーク」の恐竜たちとはかぶらないが、草食恐竜が群を作り一部の高等な肉食恐竜が集団で狩りをするという構図は、現代アフリカのサバンナで見られるライオンと草食動物の関係に似ている。恐竜の時代と比べ、動物が小型化したのは環境に順応した進化なのか、やはり当時は巨大な体を支えられる食料があったのは確かだ。数千万年単位の地球の歴史を鑑みるに、わずか数万年ほどの人類の足跡がちっぽけなものに思えてきた。。。

オススメ度 ★★*

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