こんな映画は見ちゃいけない!

映画ライター・福本ジローによる、ハリウッドの大作から日本映画の小品までスポットを当てる新作映画専門批評サイト。

TAXI NY

otello2005-01-17

TAXI NY TAXI

ポイント ★★
DATE 05/1/9
THEATER ワーナーマイカル新百合ヶ丘
監督 ティム・ストーリー
ナンバー 4
出演 クィーン・ラティファ/ジミー・ファロン/ジゼル・ブンチェン/ジェニファー・エスポジート
批評 ネタばれ注意! 結末に触れています


エンジンの躍動感、走り抜ける爽快感、そしてアドレナリン全開のカーチェイス。フランス版の「TAXi」をニューヨークを舞台にリメイクしたものだが、あらゆる点で大味になりオリジナルに及ばない。主人公を女性に変えたり、強盗団をスーパーモデル風の女性グループにするなど変更点はあるものの、ドジ刑事と警部補との恋や建設中の高速道路に誘い込んで一網打尽にするというオチは同じ。小手先の変化よりももう少し進化したアイデアを見せてくれないとわざわざリメイクした意味がない。


自転車便のライダー・ベルは念願かないタクシーのライセンスを手に入れる。彼女の車は特殊改造したスーパーマシン。そんな時銀行強盗に出くわした刑事・アンディを乗せたことから、一緒に強盗団を追うことになる。敵は真っ赤なBMW。闘争本能に火をつけられたベルは華麗なドライブテクニックで暴走するBMWを追う。


ジミー・ファロン扮する刑事のマヌケぶりがわざとらしくて笑えない。自動車恐怖症なのにハンドルを握り後進させて食料品店に突っ込んだり、小型車を発進させるのにもたついたり。その運転音痴ぶりが後の伏線になっているのならまだしも、ただ単に笑えないおやじギャグを聞かされるようなしらけた雰囲気を醸し出すだけだ。これがユーモアだと思っているのだとしたら最悪のセンスだ。


ヒロインのベルを演じたクィーン・ラティファもどう見てもオバサン。なぜもっと若々しい女優を使わないのだろう。美女強盗団との対比を強調したかったのだろうが、どうせリアリティを無視したコメディを作るのだったら、美人女優に演じさせてもよかったはずだ。大体カーチェイスはアメリカの幅の広い道路で馬鹿でかいクルマ同士でやるよりも、フランスの小型車でヨーロッパの狭い道路を疾走するほうがスピード感があってスリリング。翻訳リメイクする際にもう少し修正点を見つけておくべきだった。


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