こんな映画は見ちゃいけない!

映画ライター・福本ジローによる、ハリウッドの大作から日本映画の小品までスポットを当てる新作映画専門批評サイト。

jackass number two

otello2007-01-14

jackass number two


ポイント ★★★
DATE 06/12/13
THEATER UIP
監督 ジェフ・トレメイン
ナンバー 20
出演 ///
批評 ネタばれ注意! 結末に触れています


下品でバカげたことも、とことん突き詰めればエンタテインメントとして成立する。ナンセンスとグロテスク、それに体を張って、時には命がけで挑戦するスタントマンたち。一発芸風のものから十分なカネと時間をかけて準備されたネタまで、笑いをを取るため、または顰蹙を買うためにかける情熱にはあきれるよりむしろ感心する。人間の限界に挑戦しながらも遊び心は忘れない、ふざけているようで真剣。そこに描かれている姿はもはやおバカドキュメンタリー映画の域を越えて、スタントに賭ける男たちの生き様を描くという高みにまで昇華している。


怒りに角を突き立てた猛牛に追われる男たち。彼らはスタントを生業とし日々危険なアクションに身をさらして生きている。彼らには悲壮感など微塵もなく、ただ観客を楽しませることだけを考えてカメラの前に立つ。


ロケットを使った湖水渡りやシーソーロデオなど身の安全を省みないスタントと、老人に扮した男が街中での非常識な行動をとって一般人の反応をおもしろがるネタ、そして思わず吐き気を催すようなグロシモネタ系。大雑把に言ってこの3種類に分類されるが、やはり吐き気を催すようなグロシモネタ系は見ていて笑えない。馬糞を食べたり、馬の精液を飲んだり、脱糞やゲロまでさらす。無論そこまでやることで彼らなりの覚悟を示しているのだろう。それを「やりすぎ」と批判することこそ彼らの思う壺であることはわかっていても、やはり悪趣味の感は否めない。


一方で、ミニバイクのループや巨大タイヤでの砂漠くだり、暴動鎮圧用機雷に身をさらすネタなどで、スタントマンの根性を見せてくれる。また、じじいばばあネタなど、毒はあっても罪のない笑いが時折まぶされ、全体として映画の流れのバランスを取る。そのあたりの編集のメリハリが心地よく、ばかばかしいが面白いものを見た、という気にさせてくれる。


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