こんな映画は見ちゃいけない!

映画ライター・福本ジローによる、ハリウッドの大作から日本映画の小品までスポットを当てる新作映画専門批評サイト。

俺たちダンクシューター

otello2008-09-30

俺たちダンクシューター SEMI-PRO


ポイント ★★
DATE 08/9/23
THEATER WMKH
監督 ケント・オルターマン
ナンバー 232
出演 ウィル・フェレル/ウディ・ハレルソン/アンドレ・ベンジャミン/モーラ・ティアニー
批評 ネタばれ注意! 結末に触れています


リング付近にパスされたボールを空中でキャッチしそのままダンクを決める、「アリウープ」という芸術的なシュートは70年代に生まれたというのを初めて知った。もちろん劇中で描かれているように、主人公が夢の中で天啓を得たということはないだろうが、最初にこの技で得点したとき、相手チームも審判も観客もあっけに取られたはず。誰も見たことのないプレー、ルールには抵触していないので抗議も無効。それでもやられっぱなしだった相手チームがその試合の後半には防御策を講じてくるところがプロ。このシーンがなければ、ほとんど見るべきところのない作品だった。


弱小バスケチームのオーナー兼監督兼プレーヤーのジャッキーは、試合よりショーを盛り上げることに熱心。ある日、リーグ縮小に伴い上位4チームだけが生き残れるというコミッショナーの決定で、補強のために元NBAのモニックスという選手を獲得、彼をコーチにして猛練習を始める。


一応コメディとしてきちんと作りこんでいるのだが、米国人とは笑いのツボがずれているのか、まったく面白さを感じない。カードゲームをしているときにプレーヤーの1人が弾の入っていないはずの拳銃を取り出すと暴発したり、厳しい練習にゲロを吐いたり、アイラインを引いて試合に出たり、賞金惜しさにジャッキー自身が味方の足を引っ張ったり。数え上げればきりがないが、日本人にはとても受け入れられないセンスだ。


モニックスのしごきと戦術でチームは上昇機運、さらに観客を動員するためのショーや仕掛けも当たってチームは4位を射程内にする。そしてシーズンファイナルゲーム、主力選手を対戦相手に引き抜かれた上、残留も反古にされるが、ジャッキーたちは最後の意地を見せようと奮闘する。この終盤になってやっと映画は強烈なきらめきを放ち始めるが、せっかく盛り上がってきた展開なのに、ここでもまたクマが暴れたりしてぶち壊す。ハッピーエンドが用意されてはいるものの、楽しい気分にはなれなかった。。。


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