こんな映画は見ちゃいけない!

映画ライター・福本ジローによる、ハリウッドの大作から日本映画の小品までスポットを当てる新作映画専門批評サイト。

ディザスター・ムービー!おバカは地球を救う

otello2009-01-15

ディザスター・ムービー!おバカは地球を救う DISASTER MOVIE


ポイント ★
DATE 09/1/12
THEATER CCKW
監督 ジェイソン・フリードバーグ/アーロン・セルツァー
ナンバー 9
出演 マット・ランター/カーメン・エレクトラ/ヴァネッサ・ミニーロ/ニコール・パーカー
批評 ネタばれ注意! 結末に触れています


スーパーヒーローものからアクション、ラブストーリー、ミュージカルまで、最近のハリウッド映画のパロディだけで作品を完成させようとしているのは理解できるのだが、映画からあふれ出るパワーはすべて悪ふざけの域を出ていない。結果として笑うに笑えず、低級なギャグの連続に首をひねるばかり。出演者やスタッフが楽しんで作っている雰囲気はすごく伝わってくるが、コメディのセンスがまったくといっていいほどズレている。さすがIMDBの「サイテー映画100」のトップにランクされているだけのことはある。


エイミーにフラれたウィルはパーティに繰り出す。そこに大地震、隕石落下、竜巻などの大災害が続けて起き、それらの天災を収めるためにクリスタルスカルを博物館の祭壇に戻そうとする。


パーティでのハイスクールミュージカルを模したシーンや、ダンス対決など非常に力が入っているが、冒頭の原始人など脱力感丸出し。そうかと思えば、歌うシマリス3兄弟に襲われるシーンやカンフーパンダとの対戦シーンは妙に丁寧に作っている。しかし、どこか若者の仲間内バカ騒ぎを見せられているようで、まったく物語に入り込めず共感を得られない。さらに下品な歌詞ばかりを羅列したラストと面白くないNGシーン特集。結果として深夜テレビのコント以下のくだらないギャグ映画になってしまった。


致命的なのはエンドロールの長さ。90分足らずの上映時間なのに約10分はあったが、薄い内容をさらに薄めるような愚挙である。この作品のタイトルは災害を描いた映画というのではなく、わざわざ映画館にまで見に来た客にとっては災難だったという意味の「ディザースター・ムービー」だった。

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