ナイト ミュージアム2
NIGHT AT THE MUSEUM: BATTLE OF THE SMITHSONIAN
ポイント ★★
DATE 09/8/13
THEATER NG
監督 ショーン・レヴィ
ナンバー 189
出演 ベン・スティラー/エイミー・アダムス/オーウェン・ウィルソン/スティーヴ・クーガン/リッキー・ジャーヴェイス/ディック・ヴァン・ダイク
批評 ネタばれ注意! 結末に触れています
見物客がいなくなった夜間だけ命を得る博物館の展示物。前作では昼間は見られるだけの存在だった彼らが生き生きと動き回る姿に自由の素晴らしさを感じたが、今回はそういった目新しさはない。その代わり、世界最大の規模を誇る博物館群に舞台を移して、さらに大掛かりな展示物のアクションが繰り広げられる。絵や写真の中に飛び込んだり、ロケットや飛行機まで動かしたりと、事態は混沌を極め、収拾しようと奔走する男を悩ませる。しかし、主人公の人間的な成長や展示物の抱えるトラウマといった登場人物の感情を細やかに描くといった作業が省かれているために、大味な展開になってしまった。
NY自然史博物館の展示物がワシントンDCの地下保管庫に移送され、命の石板を古代エジプトの王子・カームンラーに奪われる。事件を知ったラリーはワシントンに飛ぶが、カームンラーはジェドを人質に取り、ラリーに石板のパスワードを解くように命じる。
博物館という限られた空間から飛び出すという発想はよいが、スミソニアン博物館群はあまりにも広大で、ラリーが走りまわるのには無理がある。クラシカルなプロペラ機を飛ばしてあちこち移動をするのだが、スリルも笑いもなくただ生き返った展示物が好き勝手に暴れている中を通過するのみ。イワン雷帝やナポレオン、アル・カポネも登場するが、狂言回しの役にもなっておらず物足りない。唯一リンカーン大統領の石像は人格者にふさわしい行動を取るが、彼もまたひとりの人間としてはお調子者だったくらいのひねりはほしかった。
やがて石板の封印が解け、冥界の軍団が攻め寄せてくるが、ラリーのかつての仲間が駆けつけて大乱戦が繰り広げられる。そんな中、ラリーはカームンラーとの一騎打ちになり、そこで見せたラリーのフラッシュライトさばきが見事で、剣を持つ相手に一歩も引かずに応戦する。ただ、ここがいちばんの山場なのはさみしい気がする。むしろ、後日談として描かれた博物館の夜間営業のシーンが楽しく、よみがえった展示物が来館者に精巧な機械仕掛けだと思われているところなど皮肉が効いていた。