こんな映画は見ちゃいけない!

映画ライター・福本ジローによる、ハリウッドの大作から日本映画の小品までスポットを当てる新作映画専門批評サイト。

ニューイヤーズ・イブ

otello2011-12-28

ニューイヤーズ・イブ NEW YEAR'S EVE

ポイント ★★*
監督 ゲイリー・マーシャル
出演 ジェシカ・ビール/ジョン・ボン・ジョヴィ/アビゲイル・ブレスリン/リュダクリス/ロバート・デ・ニーロ/ジョシュ・デュアメル/ザック・エフロン/ヘクター・エリゾンド/キャサリン・ハイグル/アシュトン・カッチャー/セス・マイヤーズ/リア・ミシェル/サラ・ジェシカ・パーカー/ミシェル・ファイファー/ティル・シュヴァイガー/ヒラリー・スワンク/ソフィア・べルガラ
ナンバー 306
批評 ネタばれ注意! 結末に触れています

新年をリフレッシュした気持ちで迎えるために、いやな記憶は今年に置き去りにする。自分を見つめなおして新しい可能性を見つけ出す者、傷つけあった過去を水に流してもう一度やり直そうとする者、任された重大なイベントを全うしようとする者、新たな命の誕生を待ちわびる者、恋の予感にときめきを覚える者etc. 大晦日のNY、いろいろな出来事があった1年間を振り返りながらも来たるべき未来がより明るいものになりますようにという人々の願いが街に充満する。そして誰かを思いやり愛する心が希望となり幸せを運んでくるのだ。

タイムズスクエアではカウントダウンの準備に大わらわ。横暴なボスに嫌気がさしたイングリッドはバイク便ライダー・ポールにやり残したことリストを渡して夢の実現に手を貸してもらう。宴会料理作りに忙しいローラは元恋人のミュージシャン・ジェンセンと再会する。

愛を探しているのに見つからない、愛する人がいるのに落ち着かない、新年最初の赤ちゃんを産んで賞金を手にしたい、仕事ばかりだった人生にリセットボタンを押したい。そういった、一生懸命に生きているけれどなかなか思い通りにならない日常につい自信を失いそうになる人々の心情が共感を呼ぶ。登場人物がみなちょっとだけハッピーになって年があらたまるという予定調和的な結末も心地よい。

◆以下 結末に触れています◆

ただ、ボールドロップの責任者・クレアが本番直前になって現場を放り出してしまうのはどうしたことか。もちろん死にかけている父親の最期の望みを叶えてやりたいという思いはよくわかるが、これではあまりにも無責任。せっかくの「いい話」が台無しになってしまった。あと、イケメン遊び人のサムの「運命の女」が娘のしつけに厳しい口うるさいおばさんだったのにはがっかり。「セックス・アンド・ザ・シティ」の下品さを感じさせないロマンティックな香りのする女優に演じてもらいたかった。

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