こんな映画は見ちゃいけない!

映画ライター・福本ジローによる、ハリウッドの大作から日本映画の小品までスポットを当てる新作映画専門批評サイト。

STAR WARS エピソード1/ファントム・メナス 3D

otello2012-03-08

STAR WARS エピソード1/ファントム・メナス 3D

オススメ度 ★★★*
監督 ジョージ・ルーカス
出演 リーアム・ニーソン/ユアン・マクレガー/ナタリー・ポートマン/ジェイク・ロイド/イアン・マクディアミッド
ナンバー 53
批評 ネタばれ注意! 結末に触れています

きらめく星の数々はひとつひとつが違う距離にある。惑星のすぐ近くに浮かぶ宇宙船を攻撃する戦闘機、高層ビルが密集した都市の風景、さらにはだだっ広い平原で無数の戦闘ロボットを迎え撃つ勇敢な兵士たち。3D化することによって深みが出た映像は、壮大な戦闘の舞台となる宇宙や地上の空間的な広がりを再現する。それは人間の視覚が普段認識する以上のハイパーリアルな世界となって、見る者を圧倒する。一方で、3Dの“飛び出し感”が活かされるべきポッドレースや発射される光の銃弾、そしてライトセイバーによる殺陣のようなアクション表現は抑え気味。ルーカスは“奥行き感”こそが3D化の真の価値と思っているようだが、どうせなら飛び出す小道具の中に身を置いて登場人物と同じ感覚を味わってみたかった。

惑星ナブーを封鎖した通商連合との交渉が決裂したジェダイ騎士のクワイ=ガンとオビ=ワンは、タトゥイーン星でアナキンと出会う。強力なフォースを感じたクワイ=ガンは彼を引き取りジェダイとして訓練しようとする。

あらためて見直してもジャジャー・ビンクスのKYぶりは作品を完全にぶち壊している。平和を守ろうとするジェダイの闘いとナブーの歴史を見守る語り部の役割を担わせたかったのだろうが、その間抜けぶりは笑えるどころか痛々しい。SWシリーズ最低のキャラクターと呼ばれる所以を再確認した。また、ジェダイがフォースを体得しているのは心身の厳しい鍛錬のたまものではなく生まれつき持っている資質だというシーンでは、熱狂的なファンをがっかりさせた原因に納得できた。

◆以下 結末に触れています◆

同時期に公開されている「ピープルVSジョージ・ルーカス」と合わせて見ると、きっと2倍楽しめるはずだ。。。

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