こんな映画は見ちゃいけない!

映画ライター・福本ジローによる、ハリウッドの大作から日本映画の小品までスポットを当てる新作映画専門批評サイト。

LOVE まさお君が行く!

otello2012-06-02

LOVE まさお君が行く!

オススメ度 ★★★
監督 大谷健太郎
出演 香取慎吾/広末涼子/光石研/成海璃子/木下隆行/大久保佳代子/神田瀧夢/浅野和之/左時枝/寺島進
ナンバー 135
批評 ネタばれ注意! 結末に触れています

一緒に夢を追いかけた相方は去り、見守ってくれていた恋人も故郷に帰る。もはや後がないお笑い芸人に与えられた最後のチャンスはバカ犬のお伴。犬が主役なのに犬よりウケようとしてスベり、命令を聞かない犬に怒り、呆れ、あきらめそうになる。そんな時、彼に起きたハプニングに真っ先に駆けつけてくれたのはバカ犬。犬は犬なりに人間を観察し、信頼できるかどうかを見極めているのだ。映画はギャラが安いという理由でTV番組にキャスティングされた1人と1匹が、彼らなりに精いっぱい頑張る姿に迫っていく。コミカルな中にもほのかにペーソスの香りをまぶした演出が笑いと涙を誘う。

視聴者自慢の犬を訪ね歩く番組に抜擢された崖っぷち芸人・秀樹とラブラドール犬・まさお。まさおは食べ物以外に興味を示さずまったくいい画が録れない。ある日、まさおがロケ先の果物屋の販売台をひっくり返すシーンを放送すると、大きな反響が来る。

まさおと行動を共にするうちに、秀樹にもまさおの気持ちが分かるようになっていく。おそらくモノ覚えの悪さゆえドッグトレーナーからも冷遇されていたのだろう。似た者同士の秀樹とまさお、彼らはいつしか分かち難い連帯感を築いていく。やがて自分が目立つのではなくまさおを引き立てる役割に秀樹が徹することで、まさおのボケに秀樹がツッこむ最強コンビになっていく。そのあたり、人とペットのべったりとしたウエットな関係にはせず、あくまで仕事上のパートナーとしての距離感を保つところに好感が持てた。

◆ネタばれ注意! 以下 結末に触れています◆

その後、番組は全国ネットに昇格、まさおも秀樹も人気者になっていく。一方で、まさおはメス犬に恋をし、秀樹は別れた恋人が忘れられない。そして秀樹がまさおとメス犬の仲を取り持ってやると、まさおも秀樹にお返しをする。ただ、その過程での結婚式をブチ壊すシーンは少ししつこくてベタなのが残念。このあたりをもう少し上品にとまとめていれば、作品のクオリティも上がったはずだ。。。

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