こんな映画は見ちゃいけない!

映画ライター・福本ジローによる、ハリウッドの大作から日本映画の小品までスポットを当てる新作映画専門批評サイト。

アベンジャーズ 

otello2012-06-16

アベンジャーズ THE AVENGERS

オススメ度 ★★★★
監督 ジョス・ウェドン
出演 ロバート・ダウニー・Jr/クリス・エヴァンス/マーク・ラファロ/クリス・ヘムズワース/スカーレット・ヨハンソン/ジェレミー・レナー/グウィネス・パルトロー/サミュエル・L・ジャクソン
ナンバー 148
批評 ネタばれ注意! 結末に触れています

「オレが絶対に一番強い!」。各々の物語で主役を演じてきたスーパーヒーローたちが一堂に会してもフレンドリーに打ち解けるわけはなく、意地の張り合いになるのは必定。時に倒すべき悪党をよそに拳を交え、武具で応戦する。もちろんみな正義感と良心に篤く地球を守ろうとする気持ちに変わりはない。ところがそのベクトルはバラバラで、決して自分の戦い方を曲げない。映画は異次元からの侵略に立ち向かうため集まった4人のスーパーヒーローが、壮絶な攻撃の中で力を合わせて戦うまでを描く。強烈な個性とプライドを備えた彼らは当然他人に指図されるのを嫌い、ジコチューな発想でしか能力を発揮しようとしないのが痛快だ。

宇宙を支配できるパワーを持つ四次元キューブを強奪された秘密組織の長官・フューリーはキャプテン・アメリカのスティーブ、ハルクのバナー、アイアンマンのスタークを招集、首魁のロキを捕まえるが、移送中に現れたソーにロキの身柄を奪われる。

皮肉屋のスタークは4人の主導権を握ろうとするが反発されるばかり。それでも彼らが乗った巨大飛行空母が襲撃されると、個人的な感情は一時棚上げして目の前の危機に対応する。しかし、信頼関係が結ばれていないため相乗効果はなく、結局ロキの罠にはまり重要なスタッフを失ってしまう。一方で、意気消沈している4人をまとめるためにフューリーは彼らに嘘をつくが、わかりやすい野望を持つロキより一物抱えたようなフューリーのほうがよほど腹黒く見えた。

◆ネタばれ注意! 以下 結末に触れています◆

後半はマンハッタンを舞台に、彼らと2人のエージェントがそれぞれの特性を生かした戦法で異次元軍団を迎え撃つ。自在に空を駆け飛び道具も多数備えたアイアンマンが派手に立ち回るが、驚異的な筋力でジャンプし敵をぶちのめすハルクの活躍も目覚ましい。ここでは一応、最年長で元軍人のキャプテン・アメリカが協力の必要性を説いて皆を仕切る。だからといって“仲間”とか“友情”などの感傷に浸らない。全員が“チームプレーなんかやってられるか”といった雰囲気でファーストフードを食べているシーンがこの作品の持ち味を象徴していた。で、誰がいちばんカッコよかったかと言うと、やっぱりブラックウィドウかな。。。

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