こんな映画は見ちゃいけない!

映画ライター・福本ジローによる、ハリウッドの大作から日本映画の小品までスポットを当てる新作映画専門批評サイト。

キャビン

otello2013-01-26

キャビン THE CABIN IN THE WOODS

監督 ドリュー・ゴッダード
出演 クリステン・コノリー/クリス・ヘムズワース/アンナ・ハッチソン/フラン・クランツ/ジェシー・ウィリアムズ/リチャード・ジェンキンス/ブラッドリー・ウィットフォード
ナンバー 18
批評 ネタばれ注意! 結末に触れています

緊張を強いる音楽と突然驚かせる効果音。人里離れたキャンプ地で5人の若者が次々と惨殺されるB級ホラー映画のテイストを忠実になぞった展開は不快感を増幅させていく。一方で、彼らを監視し、操り、殺されるように導いていくハイテク装備に固められた指令室を持つ謎の組織が違和感をもたらす。映画は惨劇に見舞われる若者たちをモニターしながらある種の実験をするという突飛なアイデアで、若者たちにサバイバルのチャンスはあるのか、なぜラボの男女は彼らの命を弄ぶのかの答えを探していく。すべては仕組まれた罠、だが運命は自分で切り開いていくこともできると、バカな若者たちでもはじめから圧倒的に不利な立場だとつい応援したくなる。

デイナ、ジュールス、ホールデン、マーティ、カートの若者5人組は山奥の別荘にバカンスに出かける。地下室に入るとさまざまな骨董品が放置されていたが、古い日記を読むと庭からゾンビ一家が復活、若者たちを襲い始める。別室では彼らの様子をじっと見つめている数人の男女がいた。

定石通りに金髪ヤリマンっぽいジュールスから血祭りにあげられ、恋人を取り戻そうとするカートも重傷を負う。その後も一人ずつ狩られていくストーリーは定番通りで、「処女」のデイナだけは助かるお約束だろうと思わせる。そして彼らの行動をラボの研究員たちが賭けの対象にする趣味の悪さ。ところが、なんとか生き残った者が彼らに復讐すると推測はできるが、そこに至る過程がまたありえない状況を生んでいくあたり、まったく退屈しなかった。日本でも同様のゲームが行われていて、小学生の少女が妖怪に呪文を駆けて封印するといったチームプレーで戦うあたりも芸が細かく、思わず膝を打った。

◆ネタばれ注意! 以下 結末に触れています◆

さらに、恐怖と悲鳴、血と殺戮の鬼畜大宴会が始まるともはや収拾がつかなくなる。あれだけ大量の怪物怪獣妖怪幽霊エイリアンがバトルロワイヤルを繰り広げる様はかえってすがすがしさすら覚えた。やはり、「若さは罪」なのか、年老いた大女優の口から出るとその言葉は切実だった。。。

オススメ度 ★★★

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