こんな映画は見ちゃいけない!

映画ライター・福本ジローによる、ハリウッドの大作から日本映画の小品までスポットを当てる新作映画専門批評サイト。

あの頃、君を追いかけた

otello2013-08-08

あの頃、君を追いかけた 那些年,我們一起追的女孩

監督 ギデンズ・コー
出演 クー・チェンドン/ミシェル・チェン
ナンバー 182
批評 ネタばれ注意! 結末に触れています

勉強なんてダサい、仲間とふざけ合っている時間のほうがずっと大切。特に大きな目標もなくただ1日を楽しく過ごすことしか考えていない男子高校生、そんな彼のお目付け役にクラス1の秀才美女が指名される。最初は反発しあいながらも、お互いの優しさを触れるうちに、いつしか惹かれあうふたり。授業中のイタズラ、放課後の校庭、居残りの教室。ありふれた学校の風景をノスタルジックに描くのは青春モノの王道、時に登場人物の見当はずれな言動と微妙な間が、それらの瞬間をかけがえのない思い出の一コマとして輝かせる。映画は随所にコミカルなシーンをちりばめ、観客を笑いと懐かしさに包み込んでいく。

不真面目な高校生・コートンはいつも5人の悪友とつるみ、退屈な学園生活に刺激を与えようとしている。コートンに手を焼いた担任は、クラスのマドンナ的存在・チアイーに彼の指導を押し付ける。その日からチアイーは毎日コートンに宿題を出す。

優等生だけれど冷たい女と思っていたチアイーが、実は悩み多い普通の女子と知ったコートンは、彼女との距離を一気に縮める。しかし、他の友人たちがチアイーに告白しては撃沈される中、コートンは友達以上の関係に踏み込もうとはしない。チアイーが好きなのに認めたくないコートン、チアイーもまたコートンが気になっているのに素直になれない。ヘアスタイルを変えて相手にだけわかるようにアピールしているのに、どうしても自分の気持ちを言葉で伝える勇気がない。ふたりの、恋愛に不器用な純情さがもどかしく、思わず背中を押してやりたくなる。

◆ネタばれ注意! 以下 結末に触れています◆

やがて彼らは別々の大学に進学するが、連絡を取り合う仲は続いている。ところが、せっかくのクリスマスデートにも、コートンの煮え切らない態度で恋に進展しないふたり。もしかしたら、この物語自体が、コートンすなわち原作者の願望で、本当はチアイーに鼻もひっかけられていなかったのかもしれない。だからこそチアイーは美しいままコートンの記憶の中で生き続けられたのだ。。。

オススメ度 ★★★

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