こんな映画は見ちゃいけない!

映画ライター・福本ジローによる、ハリウッドの大作から日本映画の小品までスポットを当てる新作映画専門批評サイト。

リディック ギャラクシー・バトル

otello2013-11-23

リディック ギャラクシー・バトル RIDDICK

監督 デビッド・トゥーヒー
出演 ビン・ディーゼル/ジョルディ・モリャ/マット・ネーブル/ケイティー・サッコフ/デイブ・バウティスタ
ナンバー 281
批評 ネタばれ注意! 結末に触れています

土煙と砂埃が舞う平原は乾き切り、黄色くくすんだ太陽から身を守る日陰は直立した岩場のみ。獰猛な野獣の群れが牙をむき、水場には巨大なサソリ型水棲動物が鋭い尾を振りかざす。文明が崩壊した辺境の惑星、人間の侵入を拒絶するかのような過酷な環境を再現したヴィジュアルは、荒涼というよりむしろシンプルな美しさすら感じる。物語は、そんな世界から脱出を試みるお尋ね者の男と、彼の首を狙う賞金稼ぎたちの命がけのサバイバルを描く。夜行性にして神出鬼没、不利な状況をチャンスに変える臨機応変さを備えた主人公に対し、ハンターたちはいつしか狩られる身となり、彼の影に脅え恐怖を募らせていく。寡黙で勇敢、タフで思慮深いヒーローを、ヴィン・ディーゼルがストイックに演じている。

かつて玉座に君臨したリディックだったが、腹心の奸計にはまり追放され、砂漠で目覚める。体力を回復させ、精神と肉体を鍛え直した後に救難信号を発すると、サンタナをボスとする7人の傭兵がやってくる。

サンタナの部下はあっさりリディックに仕留められ、サンタナは後から来たジョンズ率いる4人のハイテク武装集団の指揮下に入らざるを得ない。賞金が目当てではないと言うジョンズは理詰めの作戦でリディックに迫るが、リディックはそれを上回る行動力とアイデアでジョンズたちの虚を突く。そのあたり、リディックの主観ではなくリディックに追い詰められる賞金稼ぎの視点に軸足を置くことで、神経戦ともいえる緊張感が映像にみなぎり、思わず椅子から乗り出したくなるほどの興奮を覚えた。

◆ネタばれ注意! 以下 結末に触れています◆

やがて大雨の到来とともに巨大サソリが地に満ち、基地の戦士たちを包囲する。離脱するためには宇宙船のエネルギー源を回収しなければならない。敵と味方、立場を明らかにしない男、そして襲い掛かる肉食獣が入り乱れ、各々が生き残るために相手の心を読み、立ち回る。その、単なるアクションを超えた駆け引きが、最後までスクリーンに視線を釘付けにする。ただ、リディックと女スナイパーの一騎打ちは見たかったが。。。

オススメ度 ★★★*

↓公式サイト↓