こんな映画は見ちゃいけない!

映画ライター・福本ジローによる、ハリウッドの大作から日本映画の小品までスポットを当てる新作映画専門批評サイト。

プレーンズ

otello2014-01-06

プレーンズ Planes

監督 クレイ・ホール
出演
ナンバー 1
批評 ネタばれ注意! 結末に触れています

朝から晩まで決められた作業工程を消化する判で押した毎日。でも、自分にはもっと別の可能性があると信じる若者は、新たな道に思い切って飛び込む。そこでは実力だけがモノを言う、だが彼は持ち前の思いやりとたゆまぬチャレンジ精神でいつしか競争相手を共にゴールを目指す仲間に変えていく。物語はまだ見ぬ広い世界を知りたくてうずうずしている主人公が過酷なレースを通じて成長する姿を描く。夢を追い、友情を築き、厳しい訓練に耐え、試練を乗り越えていく彼に時折微笑む幸運の女神、勇気を失わず運命を切り開く努力を惜しまぬ者がチャンスを与えられるとこの作品は訴える。

穀倉地帯の農薬散布機・ダスティは単調な暮らしに飽き、プロペラ機による地球1周レース出場を宣言する。かつての空の英雄・スキッパーにコーチを頼み予選にエントリーするがわずかの差で本大会出場権を逃す。

上昇そして下降を繰り返し大空を自在に飛び回る解放感。地上スレスレをかすめ障害物を縫うように機体を操るスピード感。風の音や雲の質感を細密に再現したCG映像はダスティが受ける刺激や感覚を体感させてくれる。それは何者にも縛られない魂の自由。繰り上げ出場が認められたダスティは洗練された強豪ひしめく中、荒れた海を渡り険しい山岳地帯を抜け、スキッパー直伝の技術と忍耐力で次々と襲い掛かる困難を切り抜ける。レース仕様の他の飛行機とは違う農薬散布機の活躍、ダスティは一躍労働者のヒーローとなっていく。

◆ネタばれ注意! 以下 結末に触れています◆

ところが、ライバルの妨害にあって方向を見失ったダスティは嵐に飲み込まれて洋上に墜落、幸い空母に救出されるが機体はボロボロになってしまう。本来ならここでリタイアとなるはずなのに、他のレーサーから部品を寄付されてピカピカのボディに進化し、レースに復帰する。このあたりはご都合主義でごまかすのではなく、きちんと説得力を持たせるべきだろう。また、米軍機のマークをダスティの機体に付けるのはいかがなものか。これではダスティの軍事利用ではないか。。。

オススメ度 ★★*

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